「BTS(防弾少年団)の新曲が出た時、その曲のリズム、ベース、ギターなどの音を自分だけのスタイルに変えて再構成して、ファンカフェで共有してアーティストたちの評価を受けることができれば……。さらにそのように作られた曲を実際のアーティストのアルバム発売の際に一緒に収録したら……。どうでしょうか、音楽を愛し、アーティストを愛する人なら誰でも一度想像してみることが現実になるでしょう」
人工知能(AI)ミュージックテックスタートアップ「ニューチューン(Neutune)」のイ・ジョンピル(36)代表は自分たちが開発したソリューションを通じて変わることができる「音楽コンテンツ利用パターン」をこのように予想した。
イ代表は2020年3月、KAIST(韓国科学技術院)文化技術大学院MAC(Music and Audio Computing)で苦楽を共にした研究室の仲間たちと創業した。
ISMIR(International Society for Music Information Retrieval)などミュージックテック分野の世界最高学会で、30以上の技術を発表するほど実力を備えた研究者たちとプロデューサー、DJ、インディーズバンドなど、韓国の実力派ミュージシャンたちが会社を運営している。
イ代表は、AI技術を通じ、音楽という領域で、これまで見たことのない新たな経験を作りだしてみたかったという。先月、マルチモーダル(Multi Modal)技術を活用したAIによるBGM生成器「ミックスオーディオ(Mix audio)」ベータサービスを開始した。
この技術で今年1月に開かれた世界最大のIT・家電展示会CESで革新賞を受賞した。マルチモーダルはAIがテキストだけでなくイメージ、オーディオなど多様な情報を認識することをいう。
ミックスオーディオは「カフェにふさわしい音楽」のように希望する音楽に対する説明を入力すれば、それに応じた音楽を作ってくれる。自分の気持ち、置かれた状況、周辺の雰囲気、または望むジャンル、リズムに至るまで自由に文字入力すれば、このような条件にぴったりの音楽を生成する。
映画やドラマのBGMを選ぶ時にも有用だ。音楽が必要な映像や写真を見せると、AIがこれを解釈してふさわしい音楽を新しく作る。イ代表は「ティックトックやインスタグラムショーツ(短い映像)など新たな形態のコンテンツを制作するクリエイター(クリエイター)がBGMを制作する時、またはゲームのBGMを作るのに主に使われるだろう」と話した。
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