韓国の学校からブランコやジャングルジムなどの遊具が消えている。学校が事故の責任を避けるため事故発生の可能性がある遊具を減らしているのだ。
ソウル市鍾路区(チョンノグ)の小学校では、運動場にすべり台と砂場がぽつんと残っていた。近隣の小学校もブランコなどは見当たらなかった。同市冠岳区(クァンアクグ)の小学校も同様で、運動場には小規模な遊び場が2つあるだけで、ジャングルジムや鉄棒、はしご、シーソーなどはない。
こうした遊具が消えるきっかけは2015年の「子ども遊具施設安全管理法」の本格施行だ。遊具は安全認証を通過しなければならなくなった。学校や自治体は遊具で子どもがけがをしたら損害賠償責任を負う可能性がある。だから危険な遊具は撤去され、無難な施設だけが残ることになった。
ある学校関係者は「事故が起きれば苦情に苦しめられる。そんな責任を学校次元で負うのは困難。危険な乗り物は設置を敬遠する」と話した。
光州(クァンジュ)教育大学教育学科のパク・ナムギ教授は「子どもたちは遊びを通じて危険への対処方法などを学ぶ。韓国はあまりにも安全に対する要求が強く、学校が遊具を減らすことにつながっている」と話した。
育児政策研究所のパク・チャンヒョン研究委員も「事故の責任強化が、安全な遊び場づくりではなく、遊具をなくす方向に向いてしまった。子どもたちの発達に良くない影響もありうる」と述べた。
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