ソウル市聖水洞(ソンスドン)の飲食店街の風景が変わりつつある。店舗運営の効率性を高めるためにロボットを導入する店が増えているからだ。
聖水洞はロボット関連のスタートアップ企業が多い地域で、これらが周辺の飲食店街のデジタル転換を加速させている。このような現象は、ロボット業界を越えて「フードテック」と流通業界の関心を集めている。
◇パティを焼くロボット
手作りバーガー専門店「バスバーガー聖水店」では、パティを焼くロボットが従業員と一緒に仕事をする。従業員がパティをロボットに乗せるだけで、その後の調理はロボットが全て処理する。店は、配達や注文を効率的に処理するため、厨房自動化ロボットを導入した。
パティの両面を同時調理するこのロボットは、聖水洞にある調理ロボットスタートアップ「エニアイ」が開発した「アルファグリル」だ。事前に温度と厚さ、時間などを入力すれば、これに合わせて調理する。従来に比べて時間を半分に減らし、生産速度を高めた。
「バスバーガー」売り場運営チーム長のイ・グァンフン氏は「ロボット導入後、調理速度が2倍以上速くなり、お客さんが待つ時間が減り、厨房で仕事をする従業員の勤務環境も改善された」と説明した。
◇館内配送サービス
ソウルの森ICT知識産業センター1階にある「カフェラット102」は、自動運転ロボットスタートアップ「ベアロボティクス」と協力し、館内配送サービスを開始した。
知識産業センター内の事務所でアプリから飲み物を注文すると、配送ロボットが配達する。店の従業員がコーヒーをロボットに入れ、階数を入力すると、ロボットが自らエレベーターに乗り込み、ドアの前まで飲み物を配達する。
ベアロボティクス関係者は「室内配達ロボットを活用すれば従業員はお客さんのサービスにより集中できる。売り場の待機時間が減って効率的なサービス運営が可能だ」と話した。
◇ロボットカフェ
サービスロボット業者「ロブロス」は今年1月、聖水洞にロボットカフェ「BETTERTHANYOURS」をオープンした。客がデザートメニューを注文すると、ロボット2台が役割分担して飲み物を作る。領収書に印刷されたQRコードをピックアップ台でスキャンすると、客は注文したメニューを持って行くことができる。
ロブロスは聖水洞を中心に「BETTERTHANYOURS」の店舗を追加でオープンし、サービスロボットを増やしていく方針だ。
ロブロスのノ・スンジュン代表は「サービスロボットを導入して得る利益は通常、事業者が得ることになるが、これを利用してお金を払う消費者も適当な価値を感じられなければならない。客に低価格と面白い経験を提供するために努力している」と話した
(c)KOREA WAVE