韓国文化体育観光省海外文化広報院が中央労働委員会委員長に、職員の不当解雇救済判定の取り消しを求めた訴訟で、ソウル行政裁判所はこのほど、原告敗訴の判決を下した。
同院では、ある行政職員が2019年、勤務日数242日のうち70日も遅刻したほか、98日の補償休暇を取り、残業を計969.9時間申請したケースがあった。同院が調査を進めた結果、「常習無断遅刻や欠勤、延長勤務・補償休暇の悪用」が認められるとして、2021年5月に懲戒解雇を決めた。
職員は「解雇は不当だ」として地方労働委員会に救済申請したが棄却されたため、中央労働委員会に審査を請求した。中労委は「懲戒理由は認められるが、解雇は行き過ぎ」だとして行政職員の主張を認めた。海外文化広報院はこれに不服して訴訟を起こした、というわけだ。
裁判所は「2019年は行事準備で業務が過重だったことを考慮しても、職員の服務実態は納得しにくい」としたうえ「過多な勤労時間を報告するなどして利益を得たと見られる」と指摘した。
一方で「職員は多数のプロジェクトをこなしていたが、問題を発生させたことはなく、担当外の業務もしばしば担っていた。懲戒の理由があるとしても、解雇は過酷だ」と判断し、「直ちに解雇したのは裁量権の範囲を逸脱している」と結論付けた。
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