韓国電子通信研究院(ETRI)は5日、不法垂れ幕の探知にAI技術を適用したと発表した。
ETRIは自主開発した視覚人工知能技術である「ディープビュー(Deep View)」基盤の監視カメラを活用した垂れ幕探知技術開発実証実験を慶尚南道泗川市と慶尚北道慶山市で実施する。
ETRIは、韓国地方財政共済会内の韓国屋外広告センターと連携し、不法垂れ幕探知に必要な機能、要求事項、データなど緊密な協力を通じ、実際の環境で動作できる技術を開発した。スクールゾーンや交差点などに無分別に設置された不法垂れ幕は、都市景観を損なううえ、市民の安全にも影響を及ぼし、自治体には苦情も頻繁に寄せられてきた。
だが、自治体の人材と予算不足で直ちに対応するのが難しく、後回しにされていた。同時に屋外広告物除去のための費用は毎年増加している。特に、政党の垂れ幕の場合、申告義務と場所制限がなく、交差点などに雨後の竹の子のように設置され、市民の多くの不便を招いた。
環境省の資料によると、今年第1四半期(1~3月)に全国の地方自治体が撤去したと報告した政党の垂れ幕の重さは1300トンを超え、大部分が掲示期限の15日間を過ぎた不法垂れ幕だった。
政党垂れ幕の場合、掲示期限を確認することが難しく設置の時点を把握することが非常に重要だ。
研究チームはこのため、ディープラーニング基盤の人工知能技術を活用し、垂れ幕設置場所を探知するだけでなく、文字形態の変化に強い文字検出などを通じて垂れ幕の設置時点と内容を認識する方法を開発した。
さらに、この技術は自治体の監視カメラ映像管制システムと連動して都心の不法垂れ幕を探知すると同時に、内容を電算化することで自治体の業務効率化に役立つという。
また、市民の安全事故予防と地方自治体の予算節減にも寄与する展望だ。研究チームはこの技術を泗川市と慶山市で検証し、韓国地方財政共済会と協力して全国の自治体に関連技術を拡大普及できるようにする予定だ。
ETRIが開発したディープビューは、大規模なイメージと動画を深層的に分析し、多様な環境に適用するための視覚知能技術だ。都心の安全事故防止からゴミの不法投棄取り締まりまで、多様な社会問題の解決につながる成果を導き出したことがある。
今回の研究は科学技術情報通信省と情報通信技術振興センター(IITP)が支援する革新成長動力プロジェクト(人工知能)事業の一環で、研究チームは「(Deep View)リアルタイム大規模映像データ理解予測のための高性能ビジュアルディスカバリープラットフォーム開発」をテーマとしている。
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