2025 年 7月 4日 (金)
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フェイクニュースがはびこる世の中…私が編集長なら [韓国記者コラム]

ヘッドライナー画面キャプチャー(c)news1

「あなたの手に世論がかかっています」。よく映画・ドラマの中のジャーナリストは「正義の守護者」や「権力と結託して真実を隠蔽する役割」として描かれる。捜査権がないのに不正追及に食い込んだりするなど、誇張が混じった描写も多いが、報道関係者が社会への波及力を持つというのは、否定できない。

映画・ドラマの中のジャーナリストを演じられるゲームがある。米シアトルのアンバウンド・クリエイションズ(Unbound Creations)が開発したシミュレーションゲーム「ヘッドライナー(HEADLINER)」だ。

ゲームは主人公が新聞社に出勤して始まる。「ギャラリア」という国の地域ニュースキュレーターである主人公は、デスクに回ってきた記事を見て、記事を大衆に公開するか、引き出しの中に埋めるかを選択しなければならない。

新聞編集を終えて家に帰る途中で、大衆の反応を直ちに確認することができる。主人公が、その時間に合わせて選別した記事が再生数や読者の反応を引き出すほど、昇進の確率が上がる。

ギャラリアをめぐる大きなテーマは二つだ。一つは、遺伝子工学で身体を開発した「改造人間」と「非改造人間」の間での差別。もう一つは、ギャラリアに隣接する国家リアシスでの紛争で発生した難民の受け入れ可否だ。ゲームを進めながら多様な記事を組み合わせ、計29の課題のうち25個(86%)を達成した。

ヘッドライナー画面キャプチャー(c)news1

最初にやってみた時は、人口の3%に当たる純粋な人間を差別し、難民流入を積極的に遮断することで対立を煽ってしまった。会社の前には「嘘つき」や「宣伝機械」のような張り紙が貼られ、純粋な人間を迫害するなという脅迫メッセージが飛んできた。

安全面の観点では、ドローン偵察や警察力強化などを擁護する記事を出した。家の前で純粋な10人余りが、ヘッドライナーになった主人公を殺害するために待っていたが、警察の助けを受けて命の危険を逃れるという結末になった。

逆に公益性を重視し、少数者の人生に焦点を当てる記事を掲載してみた。すると、今度は主人公と家族の生活が疲弊してしまった。難民受け入れを擁護すると、国内の失業者が増え、妻(あるいは夫)が失業する。改造人間の安定性を支持する記事を掲載すると、政府による教育費の支援が途絶えてしまい、娘が大学に行けなくなってしまった。

少数者を支持しつつ現実の経済論理を無視すると、大衆が少数者を象徴するセレブリティ(歌手)を殺害してしまう。大義を重視し、人々の嫌悪に鈍感でいると主人公が壊れてしまう。何も記事も選択しなかったり、特定の論調を混ぜたりすると、人々はニュース購読を取り消してしまう。セキュリティを無難に調節する方法もあるが、会社の評価は急落していく。

直接世論をリードする体験や、偽ニュースが社会に及ぼす影響を確認したいユーザーにはお薦めのゲームだ。ただ、プレイタイムやコンテンツが豊富ではなく、誤訳や表記の誤りが多いというのが難点だ。【news1記者 パク・ソウン】

(c)news1

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