ユーチューバーの暴走ぶりも目立つ。
ソウルで最近起きた小学校教師の自殺に絡み、著名ユーチューバー、キム・オジュン氏の発言が問題となった。
キム・オジュン氏は7月20日、自身のユーチューブ番組で「この問題には政治家が関わっている。(与党)『国民の力』所属の議員だと私は知っている。まもなく実名が出てくるだろう」と語った。
ネットユーザーはこれを信じ、「キム・オジュン氏が話したことなら確実だ」などの書き込みもあった。
だが、デマの当事者と名指しされた国民の力のハン・ギホ議員は直ちに「その小学校に私の家族は在学していない」と反論し、虚偽事実の流布に対して法的措置を取ると警告した。
後日、最初に虚偽の情報を流した人物がハン・ギホ議員を訪ね、謝罪した。
◇利用者の信頼度が低く
「政治ユーチューブ」は、既成のマスメディアと政治エリートが独占していた政治談論の場に、国民の参加を促進させる――。当初はこう期待されていた。
だが現実には、偽ニュースと陣営論理の拡大再生産という負の機能ばかりが拡大する。意見が異なる市民間の意思疎通を進めるのではなく、政治の両極化をむしろ強化している。
専門家の間では、ユーチューブ番組であれ、偽ニュースに関しては法的責任を負うように制度を改善するべきだ、という意見が広がっている。
韓国言論振興財団の報告書「虚偽情報への懸念とユーチューブニュース利用の増加」には、今年1月10日から2月20日まで、世界主要国のデジタルニュース利用実態の調査(世界9万3895人、韓国2003人)について記されている。
ユーチューブによってニュースを見るという韓国人の回答者は全体の53%だった。46カ国の平均は30%だ。韓国の突出ぶりがわかる。
ユーチューブなどで接する情報の真偽について、韓国の回答者のうち66%が「事実ではないかもしれない」と答えた。世界平均は56%で、韓国の利用者の信頼度の低さがにじむ。
(つづく)
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