2024 年 11月 28日 (木)
ホーム社会韓国に上陸した日本式「メイドカフェ」は大丈夫か?…迫り来る「性商品化」批判 (下)

韓国に上陸した日本式「メイドカフェ」は大丈夫か?…迫り来る「性商品化」批判 (下)

メイドカフェのメニューにある案内文(オンラインサイトキャプチャー)(c)news1

韓国でメイドカフェが開店した当初、「退廃的な店だ」という批判もあった。だが、大部分の客は「遊び文化」の一つと考えているように見えた。

ソウル市麻浦区にある「メイドカフェ」を訪れた大学生の男性(26)は「SNSで有名だったメイドカフェが韓国にもできたと聞いて来てみることにした。異色的なカフェでMZ世代(1980年代半ばから2010年ごろまでに生まれた世代)の間では疑問視されている」と話した。一方で「健全に運営されれば、一つの文化に過ぎず、問題になることはない」との見方も示した。

交換留学生として韓国に来てアルバイトで働いているという日本人メイドは「性別で見れば、女性客の方が多いようだ」と指摘する。

◇和風メイド由来を見てみないと…「青少年出入りの恐れも」

ただ、否定的な見解は少なくない。筆者が取材した一般の大学院生(29)は「和製メイドの由来そのものが、成人向けゲームから始まったと聞いている。メイド服を着た女性にお金を払って従順なサービスを要求すること自体が、性の商品化と見られる」と語る。

会社員(26)は「未成年者も入場できるという点だけでも歪んだ見方をされるのではないか。中学や高校の近くにメイドカフェがあるという点だけでも好ましいことではない」と指摘した。

実際、幼い顔をした男子生徒2人がメイドカフェのドアの前をうろうろする姿もあった。

従業員が性犯罪にさらされることも大きな問題点の一つだ。メイドカフェ従業員に「身体的接触をするお客さんが多いのか」と尋ねると、「ないとは言えない。たまにある。その都度、悔しい思いをします」と打ち明けている。

専門家らも懸念を示す。

仁川大消費者学科のイ・ヨンエ教授は「若い世代にとってメイドカフェ体験は、SNS上で共有して承認欲求を満たすネタの一つになっているようだ」と語る。その一方で「メイドを対象にしたコンテンツは、もともと性の商品化という要素が強い。これまで頭の中で持っていた性的なイメージを、メイドカフェによって具体的に想像してしまうという問題点がある」と危惧する。

昌原大哲学科のユン・ジヨン教授も「男性客には『ご主人様』、女性客には『お姫様』とする呼び方から、メイド文化が何を狙っているのかがよくわかる。主人と女中という階層化された人間関係から出てくるファンタジーが、現実化した空間とみることができる」と指摘した。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular