韓国でノボノルディスク製薬の肥満治療注射剤である「サクセンダ」の輸入量と売り上げ、処方が急増した。ダイエットに効果的だという口コミのおかげだ。一方で、適正な体重の人に処方することによる副作用の懸念も高まっており、政府の管理が必要だという指摘も出ている。
野党「共に民主党」のソ・ヨンソク議員(国会保健福祉委員会所属)によると、サクセンダの昨年の輸入量は109万5080個で前年比135.6%増加した。処方件数も2021年9万112件から昨年は13万8353件に増えた。売り上げは今年上半期396億ウォンで前年同期より53.3%伸びている。
だが、海外では高度肥満治療に使われる薬なのに、国内では正常体重の人にもダイエット用として使われているのが実態だ。
オンラインにはサクセンダの副作用のレビューが掲載されている。あるブロガーは「サクセンダの注射を打った後、何度も吐いて救急室に行った」と話した。また別の経験者は「注射を初めて打って4時間後から胸がムカムカし、胃液まで吐き出して地獄を経験した」と書いた。
順天郷(スンチョンヒャン)大学ソウル病院家庭医学科のチョ・ヒョン教授は「吐き気、嘔吐などの副作用があり、薬物依存が生じるため注意が必要だ。医師も無分別な処方を自制する必要がある」と指摘した。
「健康な社会のための薬剤師会」のイ・ドングン事務局長は「サクセンダは安全性への懸念が完全に解消されていない薬だが、誰でも簡単に処方して使用できる。バイアグラが管理当局の統制を受けるようにサクセンダも行政力で使用を統制しなければならない」と強調した。
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