通勤時間帯の地下鉄で無差別通り魔事件と勘違いした人たちによる避難騒ぎが韓国で相次いでいる。
警察とソウル交通公社によると、6日午前8時22分ごろ、地下鉄2号線の車内で「乗客が大声を出して逃げている」という112通報が殺到した。
悲鳴を聞いて事件が起きたと思った乗客が急いで避難したのが発端だった。乙支路(ウルチロ)4街駅に停車するや降車する乗客が殺到し、4人が負傷した。
5日にはソウル地下鉄9号線堂山(タンサン)駅のホームで女性へのわいせつ行為で20代男性を捕まえる際に起きた騒ぎで、一部乗客が避難した。被害者の「助けてください」という叫び声を聞いた乗客が凶悪事件だと誤認したのが原因だった。
また、先月24日にはソウル地下鉄の急行車内で倒れた男性の家族が驚いて大声を上げたところ、乗客が急いで銅雀(トンジャク)駅で下車する騒動が起きた。
相次ぐ避難騒動の背景には、新林洞(シルリムドン)・ソヒョン駅での通り魔事件や、冠岳(クァナク)区で起きた強姦殺人など、日常的な場所での衝撃的な凶悪犯罪があるというのが専門家の見方だ。
韓国刑事法務政策研究院のスン・ジェヒョン研究委員は「道を歩いていて殺害され、百貨店内や公園で犯罪が起きる。国民が恐怖心を持たないほうがおかしい。こうした恐怖感が社会に浸透しないよう政府が対策を取る必要がある」と話した。
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