2024 年 11月 1日 (金)
ホーム経済流通「他社の製品でも結構です」韓国で“太っ腹”の補償販売続々…消費低迷に対応

「他社の製品でも結構です」韓国で“太っ腹”の補償販売続々…消費低迷に対応

写真提供=SKマジック(c)MONEYTODAY

物価高と景気悪化に伴う消費低迷を、韓国企業が「補償販売」で乗り切ろうとしている。需要が低迷しているため、使っていた製品を返却すれば、価格を大幅に割引する方法で需要を創出しようとしている。忠誠度の高い顧客を繋ぎ止めておこうという意図もあるが、補償販売範囲に制限を設けず、ライバル会社の顧客を奪おうとする企業もある。

「ハンセム(HANSSEM)」は先月からインテリアの補償販売を実施している。10月3日までにハンセム製品で施工したキッチンと浴室、収納スペース、建具、ドアなどを一定価格で再びハンセム製品でリノベーションすれば最大1000万ウォン(1ウォン=約0.1円)の割引を受ける。

ハンセムにとっては「太っ腹」な決定だ。工事代金が5000万ウォンを超えれば最大400万ウォンを割引するが、これに加えて250万ウォン相当の家電やハンセムモールポイントも特典として贈呈することにした。ポイントはハンセムモールで他の家具、インテリア製品を買うのに使うことができる。

インテリア施工の下取り販売は業界で初めてのことだ。他のインテリア業者が家具やインテリア製品一つで補償販売をすることはしばしばあったが、施工まで合わせて補償販売することは構造的に不可能だった。製品はインテリア業者が売るが、施工は加盟店が引き受ける場合が多いためだ。

ハンセムはハンセム純正資材をハンセム従業員が施工する「無限責任リノベーション」制度を適用する。じかに施工すると補償販売の特典も自由に与えられる構造だ。ハンセムは契約に半月、1カ月がかかるリノベーションの特性上、まだ補償販売の成果が数値として可視化していないが、売り上げに肯定的な影響を及ぼすと見通している。

SKマジックも最近、「クリム食器洗い機」の補償販売を開始した。「東洋マジック」時代だった2010年1月から2018年7月まで生産したクリム食器洗い機の一部製品を返却すれば、新製品の価格を半額割引する。

該当製品は使用年限が長く、SKマジックが昨年11月から自発的リコールもしたが、今回、補償販売もすることになった。

補償販売は消費が低迷した時期に、製造会社、特に一度購買すれば長期間交替しない耐久財のメーカーがよく活用する販売戦略だ。自社製品を使っていた忠誠度の高い顧客が他社製品に乗り換えないよう繋ぎ止めておく「ロックイン(Lock-in)」効果もあるが、最近は補償販売でライバル会社顧客を引き込もうとする試みも多く見られる。

セラゼムは10月10日まで、ベッドマッサージ機マスターV7・V6の補償販売を展開する。ヘルスケア家電を返却すれば最大60万ウォン割引する。セラゼムであれライバル会社の製品であれ割引に応じる。セラゼムは4月にも家庭の月特需を控え、自社製品に関係なくマッサージ機を返却すればマスターV7・V6価格を割引する下取り販売に打って出た。

ボディフレンドも今年5月、自社製品かどうかにかかわらずマッサージ機を返却すれば、新製品の価格を最大280万ウォン割引した。ティファールも先月まで使っていたキッチン用品を売り場に返却すれば、価格を最大30%割引する補償販売を実施する。やはり自社製品でなくても下取り販売した。

業界関係者は「補償販売とは『私どもの製品を使ってくださって感謝しているので割引で補償いたします』という意味であり、消費者は製品を廃棄する負担を減らし、業者は部品を一部リサイクルして資源循環もできるため、最近ではより広く普及している」と解説する。

(c)MONEYTODAY

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