ソウル・新林洞(シンリムドン)での通り魔事件など異常な動機による犯罪が相次ぎ、警察は近く民生治安強化案を発表する。本庁と市道庁、本署の人員を地区隊など現場に配置する案が有力だ。下半期の人事から1カ月足らずで、このように大規模な組織改編に乗り出すのはかなり異例のことだ。
このような組織改編案に対して本署では懸念する声が出ている。本署勤務を忌避する雰囲気があり、ただでさえ本署に人員が集まらない。その状況で組織改編まで断行されれば、補充がさらに難しくなりかねない。刑事・捜査課の場合、人員が減れば事件処理の期間が長くなり、苦情が続出するという指摘もある。
警察によると、現在、本庁と市道庁の支援人材を中心に、人員全体の5%前後を、地区隊・交番など地域警察に再配置する案が検討されている。本署の人員も調整されようとしている。
先月初め、ハイレベルを除く下半期の人事異動が終わったにもかかわらず、このような組織改編は異例のことだ。ある警察関係者は「すでに人事が決まった時点で、このように組織を改編するのは過去にはなかったこと」と話す。
異常な動機による犯罪が増える一方、治安の責任を負う地区隊と交番の人員は非常に不足している。ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領も「治安を中心に警察人材の改編を積極的に推進せよ」と指示している。
地域警察の人員不足は、これまで提起されてきた問題ではある。警察庁の人材現況資料によると、下半期の人事直後の先月4日時点でソウル管内31の警察署に属する地域警察のうち、定員に達していないところは27カ所ある。下半期の人事直前(6月末)の6カ所から大幅に増えた。
地域警察の人員も上半期に比べて減少した。資料によると、31の警察署はいずれも上半期に比べて地域警察の人員を削減した。
31警察署の地域警察は、下半期人事直前には計1万764人だったのが直後には1万311人となり、453人減っている。単純計算で警察署当たり14.6人の地域警察の人員が減ったわけだ。大半が機動隊や本署に移ったという。
今回の民生治安強化案について、地区隊と交番など現場では歓迎する雰囲気だ。ある地区隊関係者は「無差別犯罪で治安需要は継続的に高まっている。下半期の人事後、人員が増えたことで業務強度がかなり高まった。人員が増えたことは喜ばしい」と伝えた。
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