2024 年 10月 18日 (金)
ホーム社会韓国・大学街に広がる無気力症「就職のため卒業延期したが、結局どちらも遠く…」

韓国・大学街に広がる無気力症「就職のため卒業延期したが、結局どちらも遠く…」

17日午後、ソウルのある大学のロビーで勉強する大学生(c)news1

「先輩から就職が大変だという話を聞いて不安になり、卒業を1年後に控えて休学しました。でも、やればやるほどまだ足りないという気がして、未だに復学できずにいます」

韓国の大学を1年以上休学中のチョンさん(22)は、就職準備に疲れていた。17日に会った彼は、希望する企業に入社できる条件を整えるために資格を取って採用に応募してみたが、書類選考で脱落するケースが数え切れないほどだったと打ち明けた。

一時は毎日図書館で9時間も勉強していたが、今は何もせず半月以上、自分の部屋で休んでいる。チョンさんは「書類選考に落ち続けてプライドも地に落ちた。このような状況に陥り、頑張ろうという気にもならない」とため息をついた。

チョンさんのように卒業後の空白期が就職の失敗につながりかねないという恐れから、大学生のまま就職を準備する学生たちの話は昨日今日に始まったことではない。問題は、卒業と就職の両方が遅れ、無気力になっていく学生が増えているという点だ。

実際、統計庁によると15~29歳の非経済活動人口の中で、在学状態にありながら学校にも通わず、就職・職業訓練のような活動もしないまま「ただ休んだ」という人は3年間増加し続けている。2020年10万8300人、2021年11万800人、2022年11万7500人だ。

同期間、15~29歳の人口が891万1000人から856万7000人に減ったことを考えれば、少なくない増加幅だ。希望通りに就職するのが難しくなり、社会に直ちに出るよりは、学校で就職のためのスペックをさらに積んだり、来年度の採用を準備したりする青年が増えている。

ソウル市麻浦区の西部雇用福祉プラスセンターで、市民が求人情報を確認している(c)news1

◇秋夕も故郷に帰る計画はない

この日午後、ソウルのある大学の地下廊下は、休みにもかかわらず学生でにぎわっていた。来週から大学ごとに2022年後期学位授与式が始まるが、単位がすでに十分にもかかわらず、学生は学校を離れる計画はないと口をそろえた。

卒業に必要な単位を履修したからといって、無条件に卒業するわけではない。大学によって差はあるが、卒業を申請しなければ自動的に猶予される学校が多い。一部の学生は、学科別に要求される資格証または論文などを提出しない方式で、卒業を先送りしている。

工学部生のイさん(24)も、本来なら来週の学位授与式で学士帽をかぶる予定だった。しかし、卒業準備より資格取得に没頭していた。「公企業はどうしても技師資格が必須だが、技師試験は大部分が4年になって受験資格が与えられる。結局、最後の学期になっても少なくともまだ1年以上、追加的な勉強をしなければならず、学校を出るにはまだ早い」。イさんはこう語った。

昨年卒業して1年間就職の準備しているパクさん(26)は「大企業への入社を目標にTOEICの点数も上げ、資格も二つ取ったが、容易ではなかった。今年、中堅企業にも志望書を一緒に出したが、合格しても年俸や福利厚生が心配な企業も多い。今はむしろ職務経験を積むことに集中しようと思う」と話した。

卒業を見合わせる現実的な理由もある。暑くて息苦しい自室より、お金がかからない学校の方が快適で勉強に集中できるためだ。

この日会った就職準備生の大部分は、今年の秋夕(チュソク=旧暦のお盆)を「パス」する予定だと話した。すでに秋夕に帰省できないと両親に伝えたというパク・ジヘさん(24)は「今が書類を準備して提出するうえで重要な時期であり、就活時期を一度逃したら永遠にできそうにない。燃え尽き症候群に陥った友人も多く、再び気を引き締めて勉強するのが難しそうなので、そうならないよう最大限一定の生活習慣を作ろうと努力している」と語った。

◇「良質の雇用が生まれるよう環境を整えよ」

一部では、就職難の原因として「青年の目線」を挙げることもある。しかし、良質の雇用を十分に供給することが優先事項だ。

高麗大労働専門大学院のキム・ソンヒ教授は「企業への依存度を低くしながら良質の働き口を作る条件を整えるべきだ」と訴える。

「青年の働き口は不足していないという話もあるが、未来を描けるほどの働き口が不足しているのは事実だ。未来が有望だったり展望が明るかったりすれば我慢はできるが、そうでない働き口があまりにも多い」

一方、韓国経営者総協会は、昨年発刊した「青年の働き口創出方案」報告書で、青年雇用の不振原因として高学歴化、賃金格差などによる「人材需要・供給ミスマッチ」を挙げた。

大学進学率は経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最上位の水準だが、大企業と中小企業間の賃金や福利厚生の格差があまりにも大きく、人材の集中が激しいと指摘している。

(c)news1

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