「私は暴力団員だ。殴られたいのか」。韓国教員団体総連合会(教総)が7月25、26両日、教員を対象に実施した教権(教員の権利)侵害関連アンケートで、こんな保護者の発言が明らかになった。この保護者は、校内暴力にかかわった生徒の父親で、校内暴力担当教師の個人情報を要求し、拒否されると、こう脅迫したという。
こうした暴言や脅迫にとどまらず、江原道(カンウォンド)の小学校では酒に酔った保護者が教師の胸ぐらをつかんで顔につばを吐きかける事案が起きた。授業中に生徒を迎えに来たため、教師が授業が終わるまで待つよう言ったところ、激高したという。
京畿道(キョンギド)の小学校では、保護者が教室に乱入し、教師にカミソリを投げつけた。
深夜に「お酒一杯飲もう」と教師を誘った保護者、教師が水泳の授業の動画を上げると、「先生の水着姿を想像する」とコメントした保護者らのセクハラ事例もあった。
アンケートで判明した教権侵害事例は計1万1627件。保護者の教権侵害事例が8344件と児童・生徒の3284件の2倍を超えていた。
保護者の教権侵害を分類すると、児童虐待の申告や脅迫を含む悪質な苦情6720件(57.8%)や暴言・悪口1346件(16.1%)が多かった。
生徒の場合は、業務妨害・授業妨害1558件、暴言・悪口958件(29%)などだった。
チョン・ソングク教総会長は「授業妨害など問題行動を起こしたら教室から退場させたり、反省文を書かせたりするなど実質的な対策を取るべきだ。保護者に対しても告発など厳重な措置を取れるよう、教員地位法を改正しなければならない」と話した。
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