韓国国土交通省と韓国土地住宅公社(LH)が地下駐車場に無梁版構造を適用した全国91の団地を点検した結果、鉄筋が抜けている団地が計15カ所あることが確認され、無梁版構造に対する国民の不安が高まっている。
専門家は無梁版構造自体の問題よりも、設計、施工、監理で徹底した管理・監督が必要だと口をそろえる。今回の調査のように鉄筋が抜けている場合、「連鎖崩壊」のような致命的な安全問題が発生しかねないためだ。
現在、マンションを含めた建物構造は大きく3つある。
まず柱や梁のような骨組みを使わず、壁でスラブ(コンクリート層)を支える壁式構造がある。安い費用で早く建てることができるというのが長所で、1980年代から韓国のマンション建設で多く使われた方式だ。
次にラーメン構造(Rahmen)と呼ばれる柱式構造がある。スラブの荷重が梁を通じて柱に伝達される。オフィステルや住商複合マンションに多く適用される。長所としては高い層高、容易な設備補修作業、壁式構造とは異なり耐力壁がなく、リモデリングに制約がないという点などが挙げられる。
現在、話題になっている無梁版構造は、文字通り梁なしで柱がスラブを支える形式の構造をいう。梁がない構造だが、代わりにスラブを厚くするという特徴がある。長所としては梁がなくて階高が高く、耐力壁がないため空間活用度が高いという点が挙げられる。工事期間を短縮できるという長所もある。
専門家は、無梁版の構造自体は問題ないと話す。しかし、適切に作られない場合、柱とスラブの接合部が重さに耐えられず穴が開く別名「パンチング現象」が発生し、下部に連鎖崩壊が起きる恐れがある。
垂直荷重を支持しなければならない柱にせん断補強筋のような鉄筋が正しく入っていなければ、下に柱だけを残してスラブが連鎖崩壊する安全問題が発生しかねない。
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