2024 年 11月 23日 (土)
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韓国はもはや「地震安全地帯」ではない…課題は活断層の分析

2016年9月、慶尚北道慶州市の南南西8キロ地点で発生したマグニチュード5.1と5.8の地震で、釜山市影島区のマンション前の駐車場に亀裂が生じた(c)news1

朝鮮半島でマグニチュード(M)6以上の地震が発生する可能性が懸念されている。韓国では地震警報システムは短期間で改善されたものの、地震対策の基礎資料は不十分だ。基礎資料を早期に完成させるため、国民の協力を求める声が高まっている。

釜山(プサン)大学のソン・ムン教授によると、韓国はM7を超える地震の可能性はほとんどないが、M6.5から7程度の可能性はあるという。

地震発生時の避難に活用される警報は現在、地震発生後10秒程度で出されている。全羅北道(チョルラブクド)長水郡(チャンスグン)の地震は先月29日午後7時7分59秒発生した。2秒後に最初に観測され、8秒後に地震速報が発表された。

2015年以後、地震早期警報(M5.0以上対象)まで50秒かかったが、2017年に15~25秒、2018年に7~25秒、2021年には5~10秒と短縮されている。

M3.5以上5.0未満の地震を対象に出される「地震速報」も、2023年には観測後10秒以内に発表されている。1月の江華(カンファ)沖地震は観測後9秒で、5月の江原道(カンウォンド)日本海沖地震は観測6秒後に速報が発表された。

◇不足する基礎資料

地震の早期警報の飛躍的発展は、きめ細かくなった地震監視網と分析技術の発達によるものだ。

気象庁が2018年に設置した観測所は156カ所だったが、現在は297カ所に拡大し、地震を監視している。さらに、多重分析システムを導入するなど、技術も高度化した。

ただ、警報システムの発展に比べ、地震原因の分析や備えに必要な基礎資料が不足している。

韓国の活断層は1992年に初めて発見されているが、これは主に原子力施設の安全を目的に研究が進められた結果だ。国土全般を対象にした調査は2017年に始まっている。

「朝鮮半島断層構造線の調査及び評価技術開発」事業は、韓国の陸地を4つの区域に分けて5年ずつ調査して「活断層地図」を作成する。東南区域は調査が完了し、現在は首都圏や忠清(チュンチョン)区域の調査が進められている。

事業を主導するソン・ムン教授は「どの程度の地震が断層に沿って起こり得るのか予測できるようになる。病院、学校など多重利用施設の耐震基準強化などに活用できる。調査を終えた東南区域は、2030年までに国家施設、多重利用施設などで補強が進んでいる」と説明している。

(c)news1

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