韓国政府が「最大限原発を活用する」という基調を継続する。来年から適用する「第11次電力需給基本計画(電基本、2024~2038)」に、新規原発建設の拡大を検討するという内容を盛り込む構想だ。
数年内に運転許可期間が満了する既存の原発の「継続運転」も推進されると見られる。しかし、使用済み核燃料処理に関する具体的な代案はなく、推進に批判の声も少なくない。
今後7年が過ぎれば使用済み核燃料を貯蔵する施設は飽和状態に達するが、最終処分施設の建設に関する与野党の見解の差が大きいため、関連した立法議論は進展がない状態だ。
イ・チャンヤン(李昌洋)産業通商資源相は6月10日、エネルギー委員会に参席し、「電力需要増加や、安定的な電力供給能力のため、原発などにより新たな供給余力を拡充するかどうか検討する必要がある」と述べ、新規原発拡大の方針を明らかにした。
2年ごとに編纂される電基本には、向こう15年間の電力需給見通しなどが盛り込まれる。実際、原発拡充案が11次電基本に含まれれば、2015年の7次電基本(新ハヌル3・4号機建設)以来、9年ぶりに新規原発建設が公式化することになる。
それだけではない。政府はスピード感のある政策推進に向け、従来の計画より6カ月ほど電基本の樹立を繰り上げて来年7月ごろに終えるという構想だ。
韓国水力原子力によると、今後7年内に運転許可期間が満了する国内原発は計10基だ。このうち、4月に40年の運転許可期間満了で止まった古里(コリ)2号機の場合、「継続運転」のための運転変更の許可申請後、現在、原子力安全技術院の審査が進められている。
古里2号機は当初解体を準備していた古里1号機とともに永久停止される予定だったが、ユン・ソンニョル(尹錫悦)政権発足後、継続運転する方向に転換した。この過程において、継続運転のための手続きの着手が遅れ、現在は稼動停止の状態だ。
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