子犬の後ろ姿の写真だけ1万5000枚を集めて事業を展開する韓国スタートアップがある。すでに保険会社や通信会社と契約を結び、サービスを提供するほど定着した。子犬の後ろ姿写真で膝蓋骨の脱臼の有無を確認するサービスだ。
そのスターアップ「11リットル(ELEVEN LITER)」のキム・グァンヒョン代表(26)は1年半の間、自ら子犬5000匹の後ろ姿の写真1万5000枚を撮ってデータセットを構築した。「ペットの後ろ姿の写真だけで、膝蓋骨脱臼の有無がわかるAI(人工知能)ソリューションを開発した。97%の正確度がある」と誇示した。
同社は2021年9月に設立され、ペットオンラインホームケアソリューション「ライフェット(Lifet)」を運営する。ライフェットは大きく分けて▽20項目で10部位の健康状態を確認する「非対面問診」▽スマートフォン写真1枚で病気の有無と進行度を判断する「AI健康チェック」▽1対1で獣医の最終所見を提示する「オンライン相談」――の3つのサービスを提供している。ペット犬の総合的な健康状態を、家からスマートフォンで3分で確認できるようにしている。
中心的なサービスは、ペットの特定部位を撮影してアップロードすれば、ビジョンAIが特定疾病の有無と進行度を知らせる「AI健康チェック」だ。病気を判断するためには、通常X線やCTによる撮影が必要だが、現在は膝蓋骨の脱臼の有無はスマートフォンで撮った写真だけでもわかるようになった。膝蓋骨脱臼の進行度を確認できるデジタルバイオマーカーであるQ-angleを、X線写真ではなくデジタル写真から抽出する技術を確保したためだ。
キム代表は「有効性検証のため農林畜産検疫本部が指定した臨床試験実施機関で健康な犬1500ケースと健康ではない犬3000ケースなど計4500ケースを対象に臨床試験を実施した。その結果、敏感度と特異度がそれぞれ97%以上出た」と明らかにした。
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