新型コロナウイルス禍が一段落し、約4年ぶりに韓国人観光客を迎えている日本で、中でも大分県が「現行週3便の韓国便をデイリー化し、週7便を目指したい」と意気込んでいる。日韓の関係改善の機会を逃さず、訪日客増につなげたい考えだ。
別府や由布院などの温泉は観光地として有名だが、韓国人に大分県はなじみが薄い。2時間ほどの距離にある福岡の一部だと思っている人も少なくない。それでもコロナ禍と日本不買運動(ノージャパン)以前の2018年、大分県の観光客の60%を韓国人が占めるなど親しまれてきた。
最近の好材料は、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領と岸田文雄首相の首脳会談を契機に日韓関係が改善してきたことだ。
大分県企画振興部交通政策課長の藤川将護課長も「韓国と日本の距離がぐっと近づいたことを実感する。日本でも韓国のアイドルやドラマがはやっており、家では娘が韓国ドラマをよく見ている。家族と一緒に韓国ドラマの撮影地を聖地巡礼してみたい」と話している。
韓国では、累積観客数550万人を達成した映画「すずめの戸締まり」の舞台となった大分県が存在感を誇示している。最近はインフルエンサーが映画の聖地を巡礼する姿も見られる。藤川課長は「映画に出てくるスポットが韓国で人気になるとは予想できなかった」と笑った。
現在、韓国から大分に就航しているのは済州航空の週3便。航空便数を増やして韓国との距離を縮めることが大分県の次の目標だ。藤川課長は「LCCの格安航空券のおかげで旅行も気軽に行けるようになった。韓国との距離が近づいたことを観光に生かせるよう期待している」と話した。
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