韓国の医療機関評価認証院は6月29日、「2022年患者安全統計年報」を発刊し、医療機関内で起きた薬物や転倒など患者の安全に関わる2022年の事故件数が前年比12.7%増の計1万4820件だったと発表した。集計が始まった2018年の9250人から60.2%増加しており、過去最大値を更新した。
認証院は2016年に施行された患者安全法に基づき、200病床以上の医療機関や総合病院に対し、死亡など患者の重大な安全事故が発生した場合の報告を義務付けている。また、医療機関の専門の担当者らはこうした事故を認知した場合、自主的に報告することができる。
昨年発生した事故が患者に及ぼした影響を見ると、事故の発生を未然に食い止めたヒヤリ・ハットが35.6%、軽症が26.9%、危害なしが25%だった。
危害の度合いの高い中等症は10.8%、死亡1%、重症0.3%だった。
事故類型は薬物が43.3%で最も多く、転倒38.8%、傷害と検査がそれぞれ3.3%で続いた。
事故発生場所は病室40.7%、外来診療室28.9%、廊下4%だった。
認証院は「事故件数が増えたのは、事故を報告するというシステムが形成されたため」と前向きに捉えている。
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