「作曲」も例外ではない。人間が好きなメロディーを学習したAIは、人間が好きそうな音楽を1分以内に作り出す。
韓国のAI音楽技術専門企業「クリエイティブ・マインド」は、AI作曲エンジン「イーボム(EvoM)」とこれを基盤にしたAI作曲補助ツール「ミュージア(MUSIA)」を運営している。
これらのサービスは、3分ほどの曲を1分以内に生成できる。ユーザーが曲のテーマとなる言葉を入力すると、米オープンAI「チャットGPT」が曲の構成と歌詞を生成し、それを元に楽曲を作り上げる。
クリエイティブ・マインドの生成型AIは、最近放映されたサムスン電子の「ビスポークジェットボットAI」の広告に挿入されたBGMを作曲した。
このほか、AI作曲家「Aimy Moon」をデビューさせたAIアルバムレーベル「Enterarts」、AIのBGMサービス「viodio」を運営する「POZAlabs」などの韓国企業が、生成型AIを活用した作曲コンテンツ市場で活躍している。
◇作家の物語構成を補助
物語や絵の創作にもAIが使われる。
AIはクリエイターを補助する手段として、ウェブ小説とウェブトゥーン製作に活用されている。韓国ネット大手ネイバーの生成AIである「ハイパークローバー」基盤のストーリーメイキングツール「ANATE」は、小説やシナリオなど作家の物語構成を補助する。
作家がテーマやプロットなどの基本情報を入力すれば、AIが物語の骨組みを作る。AIが生成した設定を背景に物語を作り、これを補完しながら初期のストーリーラインを作ることができる。
作家がANATEの「AI創作」機能に一つの文章や単語で「つくってほしい話」を書き、ジャンルを設定し、登場人物の名前を入力すれば、AIが5つの案を生成する。
ANATEを開発したAI創作技術「eCream」のキム・ソンヨプ代表は次のように振り返る。
「作家が物語素材の発掘に大きな負担を感じ、生活の安定を害するほど、調査のために時間を費やしている。この部分をなんとか補助できないかと考えた」
◇希望する表紙を無料で
ウェブ小説の表紙とウェブトゥーンの絵へのAI活用は、今や一般的なことになった。ウェブ小説プラットフォーム「ノベルピア」に最近連載された上位10位圏の作品の中で、3つの表紙がAIの創作物だと明示されている。
ウェブ小説作家には「Midjourney」や「DALL-E」など生成型AIは魅力的な選択肢だ。表紙絵を用意するためにはイラストレーターにお金を支払う必要があるが、生成型AIは希望する作品が出来上がるまで、無料で表紙を作ってくれるからだ。
人より素早く、多くのコンテンツを作ることができるAIの創作物の数は、さらに増えるだろう。ヤフーファイナンスをはじめとする外国の報道によると、英国のAI専門家ニーナ・シック(Nina Schick)氏は、今年1月に米国で開かれた「CES2023」の討論会で「2025年までにコンテンツの90%が生成AIの助けを借りて製作されるだろう」と述べている。
(つづく)
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