ソウル市江西区(カンソグ)に居住する30代女性。購入して1年も経っていないカルティエのブレスレットに問題が生じ、アフターサービスのために売り場を訪れた。だが、カルティエの店員から「修理するにも番号札を受け取らなければ入場できない。今日は締め切られたので帰れ」と言われた。
女性が売り場を訪れた時間は週末の昼の時間帯だったが、すでに売り場の入場が締め切られた状況だった。この店員は女性に「平日午前に来れば入場しやすいだろう」と伝えた。
女性は「ブレスレットの修理のために休暇を取って訪問しろというのか。ブランド品の価格はますます上がっているのに、アフターサービスはむしろ後退しているようだ」と不満を吐露した。
オンライン上でもブランド品の修理のために開店とともに売り場に走る「オープンラン」が日常的だという投稿が続出している。
ブランド品業界は年に数回ずつ値上げする一方で、アフターサービスの質は足踏み状態だと指摘されている。特にブランド時計は1日の入場人数を極少数に制限しており、平日午前の時間帯でなければ入場が難しい。
ブランド品業界の“高飛車”営業はこれだけではない。
修理が難しいのはもちろん、製品購入に対する責任を消費者が負わなければならない。
ソウル市永登浦区(ヨンドゥンポグ)に住む30代男性は昨年、ブライトリングの時計を購入した。男性は夏でも快適に使えるストラップの時計を購入しようと売り場を訪れた。
ブライトリング側は「製品を注文するとスイスの本社から直接配送されるため、消費者が受け取るまで少なくとも6カ月はかかる」と説明する。今年注文すれば、来年の夏になってようやくこの製品を使うことができる。
しかも、一度注文すれば交換や払い戻しが不可能だ。ブライトリングの店員は「ストラップの場合、製品ごとに異なるが、このストラップが時計に合うか合わないかは実際に見てみなければ分からない。厚さなどが合わなくても交換や払い戻しは不可だ」と強調する。
男性は「ストラップのような製品情報は販売する立場で当然、知っているべきではないか。半年もかかって受け取った製品に欠陥がないとしても、どんな理由であれ、交換・払い戻しができないとはあんまりだ」と憤慨した。
カルティエは4月、主要品目の価格を最大15%引き上げた。昨年12月、人気製品の価格を8~10%引き上げてからわずか4カ月後だ。
業界関係者は「ブランド品の価格は引き上げられるのにアフターサービスに不備が多い。これはブランド価値を毀損し、消費者を欺瞞する行為だから改善すべきだ」と指摘している。
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