韓国で駐・停車中の車両にぶつけたあと、適切な措置を取らずに逃げる「物被(物的被害)逃走」が連続して発生している。捕まっても最大罰金20万ウォン(約2万1400円)で終わるため、ドライバーの間で「バレなかったらラッキー。バレてもいい」などの意識が広まり、まずは逃げる人が多いようだ。
韓国では2017年6月から道路交通法改正で道路沿いの物被逃走事故の運転者を処罰できるようになった。ただ、処罰のレベルは高くない。道路交通法第156条10号により、20万ウォン以下の罰金や拘留・過料に処することができる。駐車車両に対する物被逃走の場合、ワゴン車13万ウォン(約1万4000円)、乗用車12万ウォン(約1万2900円)、二輪車8万ウォン(約8580円)の反則金とともに減点15点を賦課する。
韓国では最近、物被逃走が相次いでいる。
ソウル市江北区(カンブクク)の繁華街裏通りで今月1日午後9時30分、会社員のチェさん(33)は、自分の車の助手席前方のバンパーに引っかかれた跡があるのを見つけた。一目で車の衝突だとわかった。路地に駐車し、近くの店に1時間ほど滞在していた間、誰かがチェさんの車を破損させて逃げたのだ。
事後処理の手続きを踏んだチェさんは「警察での手続きに時間がかかる。犯人が捕まっても、車を修理に出せば台車が必要となる。不便が多すぎる」と吐露した。
警察関係者は「犯人を見つけても、事故を知らなかったと言う可能性もある。明確な証拠がない以上、現行法上、刑事責任を問うことは難しい。そのうえ、駐車事故は発生日時・場所が特定されない場合が多く、調査には困難が多い」と釈明している。
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