韓国企業がグーグルやマイクロソフトなどグローバルビッグテック企業に国内人工知能(AI)生態系を侵食されないよう政府に支援を促した。ソウルの国会議員会館で5月31日、「超巨大AI時代の大韓民国、そしてAI主権」をテーマにした政策討論会が開かれ、ネイバーやカカオ、SKテレコムなどの実務者が超巨大AI生態系への政府支援と民官協力の重要性を強調し、AI技術覇権競争から押し出されてはならないと声を上げた。
昨年11月にチャットGPTを公開したオープンAIはわずか2カ月で月1億人以上の利用者を確保した。グーグルはAIチャットボット「Bard」を180カ国余りに同時発売し、マイクロソフトもAI関連製品とサービスを相次いで発表した。
韓国産業界の危機意識は高まっており、韓国政府は4月、超巨大AI競争力強化案を発表して産業育成に力を入れることにした。それでも現在、国会で議論中のAI基本法について、産業界は規制より支援が必要だと強く訴えている。
ネイバー「AIラボ」センターのハ・ジョンウ・センター長は「競争力のある自国語中心の超巨大AI技術と生態系構築が必須だ。世界進出のために税制、共同投資、データ、規制など、政府の支援が不可欠だ」と提言した。
カカオのキム・ギョンフン・AI政策支援理事は「革新の呼び水としてAI競争力強化のための政府の支援拡大、AIモデル学習のためのコンピューティングインフラ支援、学習データの持続的な収集と供給が必要だ」と主張した。
LGグループ系列「LGAI研究院」によると、AI競争は今後、米国、中国、欧州、第3世界(韓国・イスラエル)などに分かれて進むと見られ、当分は米中を中心に、AIを含む先端技術覇権競争が激化することが予想される。この状況のなか、韓国が先導的なAI技術と規範を確保できず、海外の技術・規範に依存することになればAI主権を失うと懸念されている。
同研究院のキム・ユチョル部門長は「AIによる経済的・社会的衝撃をわれわれ自らが解決できる力を持つために、まず国内AIの技術育成に重点を置き、AIによって発生し得る問題に対応するための法的・政策的措置を整えるべきだ」と指摘している。
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