韓国でインプラント、皮膚美容、医療AI(人工知能)などヘルスケア産業に対する市場の関心が高まっている。新型コロナウイルス禍が一段落し、ヘルスケア各社の実績も高成長の傾向にある。
ヘルスケア、新成長産業分析を担当するアナリストとして「2022大韓民国ベストレポート」最優秀賞を受賞した新韓投資証券のウォン・ジェヒ研究員は、韓国のヘルスケア業者が構造的成長期に入ったと見ている。海外のライバル会社に劣らない技術力を備えているという説明だ。
ウォン・ジェヒ研究員は「国内ヘルスケア業者は製品価格が非常に安いが、品質は海外業者に遅れを取らない。皮膚美容医療機器、インプラント業者は病院の収益性改善に貢献し、医療AIは医師の能率を上げ、オプション費として費用を転嫁できる収益構造を備えている」と指摘する。
注目すべきはインプラント、エステ、デジタルヘルスケア(AIや非対面診療)業者だ。国内企業のインプラントは原価率が低く、医師への施術の教育も進んでいるうえ、複雑なプロセスを単純化したデジタルインプラント技術も構築しつつある。競争力が高く、成長性も明るいという。
また、皮膚美容メーカーも高い競争力を備えており有望だ。「CLASSYS」「Jeisys Medical」など国内の皮膚美容医療機器メーカーの海外進出の成果が出つつあり、米国や欧州の製品・施術に比べてリーズナブルで高い品質のサービスを提供しているという。
AIブームで医療AI、非対面診療などデジタルヘルスケアに対する期待も高い。
ただ、直ちに収益を出すことが難しく、デジタルヘルスケアが新たな治療オプションとして許可を受けるまでにかかる時間を予測するのが難しいからだ。ウォン研究員は「既存の医療システムと利害関係者の反発があり、標準医療指針などを短時間で覆すことは難しい」と指摘している。
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