生成人工知能(AI)がわずか1分で歌を作る時代が到来した。韓国では数多くの曲を学習したAIを巡る著作権論議が浮上し、解決すべき課題として顕在化している。
韓国のAI音楽技術専門企業「クリエイティブ・マインド」は、AI作曲エンジン「イーボム(EvoM)」とこれを基盤にしたAI作曲補助ツール「ミュージア(MUSIA)」を運営している。同社のアン・チャンウク代表は「1分以内に作曲からレンダリング(抽象的なデータを処理して画像・映像・音声などをつくること)を経て、音楽まで生成する技術を保有している」と説明した。
チャットGPTブームを反映し、その回答をもとに曲をつくるサービスもある。アン・チャンウク代表は「チャットGPTが全体的な曲構造と歌詞を書けば、イーボムがこれを草案にメロディーをつくる」と説明している。
AI作曲エンジンは作曲業務を補助し、一般の人でも簡単に曲をつくることができるよう支援する利点がある。だが、著作権関連の議論も抱えている。
イーボムは昨年、歌手ホン・ジニョンの歌「愛は24時間」を作曲し、著作権者として名を連ねた。だが、韓国音楽著作権協会はイーボムを著作権料支給対象から除外した。著作権法第2条1項が「著作物」を「人間の思想または感情を表現した創作物をいう」と規定するなど、現行法がAIを著作者と認定していないためだ。
AI作曲エンジンが学習した音楽の著作権を主張する声も出ている。
韓国著作権委員会のキム・チャンドン法制研究チーム長は「各国でデータマイニング(AIが学習するプロセス)に関する議論が続いている。利害関係者の譲歩・妥協を通じて技術発達に対応すべき時だ」と話している。
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