2024 年 11月 23日 (土)
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中国に主導権を奪われた「電力貯蔵システム」市場…苦戦する韓国大手

サムスンSDIバッテリーを搭載した米カリフォルニア地域のESS(写真=サムスンSDI)(c)MONEYTODAY

新再生エネルギーが普及し、電力貯蔵システム(ESS)の市場規模の拡大が予想される。だが、電気自動車同様、高い成長性が予想されているESS市場で上位を固守していた韓国が、中国に押されて苦戦している。業界関係者は、相次ぐESS火災の後、国内市場が急速に萎縮したことの後遺症だと分析している。

英調査会社ウッドマッケンジーによると、2021年に28GWh(ギガワット時)だったグローバルESS市場は、2031年に1TWh(テラワット時)に拡大すると予想されている。

韓国では、パク・クネ(朴槿恵)、ムン・ジェイン(文在寅)両政権当時、太陽光設備を積極的に増やし、国内ESS市場の規模が拡大した。大手電機メーカー「サムスンSDI」や電池大手「LGエネルギーソリューション」のESSバッテリー出荷量が大きく増え、両社はしばらくESS用バッテリー市場占有率1・2位を固守した。

ところが2021年、サムスンSDIとLGエネルギーソリューションがそれぞれ2・3位に下がり、昨年はLGエネルギーソリューションが4位、サムスンSDIが5位にまで下がった。

2017年下半期から報告され始めたESSの連続火災に関して、韓国政府はバッテリーの欠陥を疑っていた。明確な調査結果が得られないまま、政府の判断は既成事実化され、その影響でESS市場も縮小したと業界は見ている。

間隙を突いたのが中国系企業だ。EV大手「比亜迪(BYD)」や車載電池最大手「寧徳時代新能源科技(CATL)」、電池メーカーの恵州億緯鋰能(EVEエナジー)が昨年、世界のESSバッテリーの1~3位を占めた。安価なリン酸鉄リチウム電池(LFP)を武器に世界攻略に成功したのだ。

ある業界関係者は「韓国企業が主導権を握る民官協力モデルを作り出す必要がある」と強調している。

(c)MONEYTODAY

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