2025 年 1月 2日 (木)
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「日米台vs中国」への韓国のかかわり [KWレポート] 新冷戦の海 (5)

CSISの中国の台湾侵攻ウォーゲーミング作戦地図(資料=CSIS)(c)MONEYTODAY

「米海軍は、海上の軍事要塞と呼ばれる空母2隻を失う。他の軍艦も17隻失い、航空機270機が破壊される」

「米軍に対抗した中国は、艦船138隻が爆沈され、軍用機155台が破壊される」

「米国を助けて参戦した日本の自衛隊も、100機以上の軍用機を失い、軍艦20隻余りが海に沈む」

これは「次回戦争の初戦闘:中国の台湾侵攻ウォーゲーミング」(The First Battle of the Next War gaming a Chinese Invasion of Taiwan)と題した報告書に掲載された中国の台湾侵攻ウォーゲーム(模擬戦争)の結果だ。米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)が発表したものだ。

24回にわたり、それぞれ異なる様相の模擬戦闘を繰り広げた結果、導き出された「基本シナリオ」といえる。

日本と米国、台湾が連合して中国と決戦を繰り広げた多様なシナリオは、概して米国側の勝利に帰結した。だが、双方の陣営を合わせて数万人単位で死者が出て、米国のグローバル影響力は弱まった。中国は体制崩壊の危険にさらされている。

報告書は米政府に次のように提言している。

「日本との外交や軍事関係を強化せよ。オーストラリアや韓国のような他の同盟国は、中国との広範な競争で重要となる」

だが、「例」に含まれた韓国も、台湾をめぐる米中対立は、「他の地域の出来事」として片づけるわけにはいかない。南方航路に属するバシー海峡(台湾東方)という核心的な貿易路がかかわる決定であるためだ。

専門家は、朝鮮半島の周辺国で触発された軍拡競争に対応し、韓国が海道を守るためには外交的対立の管理と海軍力強化が重要だと指摘する。対北朝鮮路線の根幹となる韓米同盟の精神が、海道で繰り広げられるべきだという指摘もある。

◇「米国と進むしか…」

韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は米ホワイトハウスで4月26日(現地時間)開かれた米韓首脳会談の冒頭発言で、世界平和の安全が脅かされる要因として「力による現状変更の試み」を言及した。これは、台湾問題に関連した米主導の国際秩序に韓国が参加していることを再確認したものだと考えられている。

法律事務所Dentons Leeのパク・ギスン常任顧問(元中国サムスン経済研究院長)は「米中間に対立がなければ、こうしたことが問題になることはなく、われわれとしては現状維持が良い。われわれも自由主義国家であるため、米国の価値である『自由』に同調している。こうした側面から米国とともに進むしかない」と指摘する。

(つづく)

(c)MONEYTODAY

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