2024 年 12月 1日 (日)
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芸術作品食べた「うんざりな」韓国の若者vs.騒ぎにしなかった「大人の」美術館

マウリツィオ・カテランさんの作品「コメディアン」(リウム美術館提供)(c)news1

ソウルの美術館で先月下旬、粘着テープで生のバナナを貼り付けてある芸術作品から、入場者がバナナを剥がし取り、それを食べるという出来事があった。入場者はその場面を映像に収めて報道機関に提供しており、その行動に批判が集まっている。

被害を受けたのは、イタリアの芸術家マウリツィオ・カテランさんの作品「コメディアン」。ソウルのリウム美術館で4月27日開幕の個展「WE」に展示されている。

「コメディアン」は白い壁に生のバナナを貼り付けたものだが、米国で2019年に開催されたアートフェアで12万ドル(約1600万円)の値がつき、話題を呼んだ。バナナは2~3日で交換しているという。

騒動が起きたのは、個展の開幕日。入場者の男性が「コメディアン」を鑑賞しながら、突然、バナナを剥がして中身を食べ、皮だけを再び壁に貼った。男性はソウル大学で美術を専攻する学生といい、「朝食を食べずに来たのでお腹がすいていた」と釈明した。一方で、男性はブランド品のネクタイを着用し、食べる場面を友人に撮影させたうえ、映像を報道機関に提供していたという。

美術館関係者は事実関係を確認しつつも、男性に損害賠償を請求することなく、バナナを取り換えて事態を収拾した。

「コメディアン」からバナナが剥がされる出来事は過去にもあった。2019年、米国のギャラリーに展示されていたバナナを米アーティストが剥ぎ取って食べ、「これは芸術パフォーマンスであり、破壊行為ではない」と弁明したという経緯がある。

韓国のネットコミュニティでは、この男性の行為に対し「2019年のコピーキャット(猿まね)だ」「『いいね』や注目を集めるためなら何でもする」などの批判が相次いだ。また美術館側が損害賠償請求もせず話題にもしなかった点について「対処が冷静だった」と評価する意見もあった。

(c)news1

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