ソウル市江南区(カンナムグ)のマンションから40代女性が連れ去られて殺害された事件で、警察が強盗殺人教唆の容疑者として事実婚の関係にあったユ・サンウォン(51)、ファン・ウンヒ(49)の両容疑者の身元を公開した。事件に関連して名前と顔が公開された容疑者は5人となった。
警察によると、ソウル警察庁の身元公開審議委員会(身上公開委)が12日、2人の身元公開を認めた。5日には強盗殺人の疑いが持たれているイ・ギョンウ(36)、ファン・デハン(36)、ヨン・ジホ(30)の3容疑者が同様に公開されている。身元情報が公開された容疑者が5人に上るのはこれまでの重大事件でも最多だ。
イ・ギョンウ容疑者らは先月29日午後11時46分ごろ、ソウル市江南区駅三洞(ヨクサムドン)のあるマンション前で、帰宅中の40代半ばの女性を車で連れ去り、殺害した疑いが持たれている。
事実婚のユ・サンウォンとファン・ウンヒの両容疑者は昨年9月、イ・ギョンウ容疑者の計画に同意し、資金として7000万ウォン(約700万円)を渡した疑いがもたれている。
韓国では、特定凶悪犯罪の処罰に関する特例法(特定凶悪犯罪法)に基づき、▽犯行手段が残忍で重大被害が発生した事件▽罪を犯したと信じる十分な証拠▽国民の知る権利など公共の利益――などの要件を満たせば、顔と氏名、年齢などを公開できる。
現時点で、今回の事件で警察が立件した容疑者は7人。このうち5人の名前と顔が公開された。これは容疑者の身元公開制度が導入された2010年以来、単一の特定凶悪犯罪事件では最多となる。
これまでは「大田(テジョン)国民銀行強盗殺人」「済州(チェジュ)中学生殺人事件」で身元が公開された各2人が最多だった。今回5人もの身元が公開されたのは、江南の中心部で金銭と恨みが絡んだ連れ去り・殺人事件が発生したことに対する国民の憤りを意識したものとみられる。
凶悪事件以外では、2020年の大規模性搾取事件(テレグラムn番部屋)で6人の身元が公開されている。
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