韓国政府が地下鉄の混雑が激しい場合、停車せずに通過することの可否を検討するようマニュアルを改正すると明らかにした。だが利用客が多い駅や乗り換え駅を利用する会社員らは、目的地で乗降できない場合、出勤時間が大幅に遅れる恐れがあると懸念を示している。
国土交通省の大都市圏広域交通委員会はこのほど、人が集中することによる安全事故を防止するため「鉄道安全管理体系技術基準」を改正する考えを明らかにした。
駅や列車の混雑度を管理する仕組みを整える趣旨だが、混雑度が「混雑」~「深刻」段階の場合、鉄道運営機関が無停車通過の可否を検討するようにする案も含まれている。列車内に多くの乗客がいる場合、次の駅の混雑度が高ければ通過する可能性もあるわけだ。
駅混雑度は乗り場・階段などに収容できる適正人員と利用客数の比率を判断し、普通(130%)▽注意(130~150%)▽混雑(150~170%)▽深刻(170%)――に区分される。
会社員の間では、むしろ通勤途中の地下鉄利用をさらに難しくするのではないかと指摘されている。新道林(シンドリム)駅、蚕室(チャムシル)駅、高速ターミナル駅など乗り換え駅だったり、会社が集まったりする駅の場合、利用客が殺到する。列車が停車せずに通過すれば駅構内の混雑度はさらに高くなりかねない。
また、列車内の乗客は目的地と異なる場所で降りたり、他の交通手段を利用したりするなど不便を強いられるおそれがある。
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