韓国の防衛機器製造・販売「ハンファエアロスペース」が、2032年までに商業用ロケット打ち上げ価格を半分に引き下げ、スペースXの水準に合わせるという野心的な目標を立てた。ウクライナの隣接国家を対象に武器輸出が急増し、航空宇宙産業に投資できる余力も出てきた。
ハンファエアロスペースのユ・ドンワン首席副社長は3日公開された米ブルームバーグ通信とのインタビューで「今後10年内にイーロン・マスク氏のスペースXの水準に価格を合わせる」と明らかにした。
現在、スペースXの「ファルコン9」は1回の打ち上げに約6700万ドルの費用がかかる。ユ・ドンワン氏は「最初はニッチプレーヤーになれるが、最後には(スペースXに)追いつきたい」と話した。
ハンファエアロスペースのエンジンを使って韓国航空宇宙研究院が開発した「ヌリ号」のロケットは再利用ができない。しかし、同社は2032年までに打ち上げ価格を半分に引き下げ、スペースXの水準に合わせるという目標を持っている。最近軌道に乗せるのに失敗した三菱重工業の「H3」ロケットは、従来のH2Aの半分レベルである5000万ドルの費用で打ち上げる方向で設計されていた。
ハンファエアロスペースの株価は、ハンファグループがすべての防衛産業をハンファエアロスペースに合併した2022年、53%急騰した後、今年30%以上も上昇している。ハンファグループの航空宇宙事業は、ハーバード大学出身のキム・ドングァン副社長が率いている。
ハンファエアロスペースはロケットを打ち上げる企業にとどまらず、衛星運用や月面探査、資源抽出にも進出しようとしている。衛星スタートアップ「ワンウェブ(OneWeb)」社の持分9%を買収し、親会社であるハンファグループは潜水艦メーカーである大宇(テウ)造船海洋の持分49.3%を買収する作業を進めている。
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