2024 年 11月 24日 (日)
ホームライフスタイルトラベル駱山城郭道を望むソウル韓屋―特別な1泊2日

駱山城郭道を望むソウル韓屋―特別な1泊2日

夜になると、さらにロマンチックな雰囲気を出すソウルの韓屋ステイ©news1

「旅行」ほど、ときめく言葉はない。日常生活で一生懸命仕事をしたのち、国内や海外に発つ旅は、準備するときから楽しさを掻き立てる。新型コロナウイルス以前と状況が大きく変わったが、旅の喜びは変わらない。

新型コロナの影響で制約は変化するが、旅を楽しむ方法は今も多様だ。その中で、最近は「ステイケーション」(Staycation)をオススメする。遠くに行かずに、家やその近所で過ごす休暇を言い、社会的距離を維持する今の時代にピッタリの旅行トレンドだ。

一年を整理する年末を特別に送るために、最近、「韓屋ステイケーション」を直接、楽しんでみた。「ホカンス」(ホテルとバカンスの造語)が旬だと言うが、日常から飛び出した気分をしっかりと味わうため、ソウル韓屋1泊2日旅行を選んだ。

家主のデザインセンスが際立つお茶屋©news1

滞在する韓屋宿舎(ゲストハウス)は位置とデザイン、周りの景色を重点において選んだ。宿舎の予約プラットフォーム「Airbnb」で検索してみると、魅了的な韓屋宿舎がたくさん表示された。この中で、ソウル・駱山(ナクサン)城郭道に位置する宿舎「チグム(Zikm)」を選択した。会社と家から車で20分程度の距離にある駱山城郭道のすぐ横にあるうえ、大学でデザインを教えている大家(ホスト)自らが作った韓屋という点などに心がひきつけられた。

年末を迎え、あちこちにクリスマスデコレーションを©news1

冬なので、寒くないか?と思ったが、宿舎に入りすぐに“寒くて不便な家”と考えていた偏見は破れた。最近のような韓屋ブームが起きる前、韓屋を購入した大家の夫婦は、住むのに楽な家にしようと、その空間を整え始めた。そして「今、忠実になろう」という意味を込めて「チグム」と名付けたそうだ。

韓屋はハングルの「ㄱ」文字のように折れた母家と客室、小さな庭に分かれていた。母家は、寝室とリビング兼キッチンで構成され、全体的に現代的トンチャン(中間に木などを入れない窓)サッシ(窓枠)を施工し、立式(立って行動する様式)に整えた。客室は伝統を維持しつつ、便利さのためにトイレとクローゼットを追加した。

歯ブラシを除いて、便利な生活用品は満たされている。さらに、韓屋で楽しむ「癒し」の面白さを倍増させる茶道の準備もすべて整っている。お茶と茶葉が多様で、1日に2回ずつ、2日かけてお茶をいれて飲んでも、十分な量だ。

滞在中にお茶を存分に楽しめる©news1

一度は、台所にある食卓で、もう一度は客室の縁側に座ってお茶を飲みながら、韓屋で贅沢を楽しむ。ここに、大家さんの温かさを感じさせる、おまけのみかんと間食がある。

大家さんの温かさを感じるみかんと間食©news1

韓屋でただ休みながら癒される考えだったが、何か意味のある体験を一つしてみたいと思い、最近、脚光を浴びている「1日講座」を受けることにした。韓屋ステイケーションとぴったり合う「韓国的」な1DAYクラスだった。

先月末、韓国文化財団と文化財庁が国民を対象に無料で開いた「訪れる文化遺産の癒し体験」の申請を受けた。この体験は国家無形文化財の伝授者によるオンライン授業を受けて、事前に宅配で受け取った体験パッケージの中にある材料で伝統工芸を作ってみるというものだ。

体験パッケージは3種類ある。
(1)国家無形文化財のメドゥプ(王族や貴族が装飾に使ってきた朝鮮半島の伝統工芸品)匠であるパク・ソンギョン伝承教育者の「そっと結ぶ装身具作り」
(2)刻字匠であるイ・メンホ履修者の「きょう、幸せ」という本作り
(3)仏画匠であるイ・イルジン履修者の「自分だけの牡丹の花扇子塗り」

「牡丹の花扇子塗り」セット©news1

その中で、仏画を描いて作る「牡丹の花扇子塗り」を選び、30分余りで世界に一つだけの扇子を完成させた。

約30分で完成した世界に1つだけの扇子©news1

短い体験を終えた後は、体を丸ごと韓屋にゆだねた。宿舎には大家の趣味が垣間見えるデザイン書籍と旅行関連本、各種ボードゲームが準備されていた。そのため、やることはたくさんあった。ただ、韓屋で1日を過ごすには時間がとても足りないため、本やボードゲームに手はつけなかった。

駱山城郭道©news1
「イカゲーム」のロゴのようですが……©news1

家の隅々を見て回る。すると、家の前に駱山城郭道が広がる。夕食を消化させるために夜に一度、そして翌朝に早く起きて運動がてらに一度。そうやって行き来するたびに、韓屋特有の温かさで迎えられる。いつしか、その魅力にたっぷりとひたっていた。

©news1

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