韓国で麻薬中毒者の急増で治療が急がれる一方、劣悪な治療環境がいっこうに改善されない。中毒患者を治療する病院と医師が不足しており、対策作りが急がれている。
韓国で昨年検挙された麻薬事犯は計1万8395人で、2017年(1万4123人)比約30%増。人口10万人当たり麻薬事犯は35.63人で過去最悪の規模だ。特に国内麻薬犯罪再犯率は約37%に達し、社会生活を活発化させるべき30代以下が全体の約60%を占める。
だが麻薬中毒を治療できる病院も医師も絶対的に不足しているため、中毒者が治療を受けたくても実際に治療を受けにくいのが実情だ。
全国に麻薬類犯罪者を専門的に治療する治療保護機関が21カ所指定されているが、実質的に運営されているところは2カ所に過ぎない。昨年上半期には、二つの病院で患者全体の96%を治療している。入院可能な病床と治療可能な専門医はむしろ減った。2021年の治療保護機関の総病床数は292床、医師数は132人。2017年比それぞれ38床、38人減少している。
専門家は麻薬初犯を減らし、再犯率を下げるためには麻薬中毒者を患者とみなし、韓国政府がきめ細かい治療・管理体系を構築すべきだと口をそろえる。
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