2006年のワールドベースボールクラシック(WBC)ベスト4神話を成し遂げた韓国野球は、2008年の北京五輪金メダル、2009年のWBC準優勝を果たし、全盛期を謳歌した。
野球への関心が集まり、韓国最高のプロスポーツの地位を固めた。野球人気が高まり、自然と選手の待遇も変わった。年俸は天井知らずに高騰した。フリーエージェント(FA)市場で100億ウォンの契約があっても、もはや驚くことではなくなった。
代表チームに加わった選手だけを見ても、数億ウォンの年俸を受け取る選手が多い。
しかし、高くなっていく選手たちの年俸とは違って、国際舞台での韓国野球は後退し続けている。
韓国野球の自尊心を高めたWBCは、韓国野球の墓場になって久しい。韓国は2013年、2017年に続き、今回の2023年のWBCまで3大会連続1ラウンドで脱落という苦杯をなめた。
今大会を控えて日本とオーストラリア、チェコ、中国と同じ組になった時は「楽な」組み合わせに歓呼しただけに、1ラウンド脱落はさらに辛い。
試合内容でもさまざまな問題点が露わになった2023WBCは「脱落」以上の衝撃を与えている。韓国野球が直面している現実を如実に示したためだ。
◇ガッツポーズで走塁死、日本戦9死球失望
試合内容は「惨事」という言葉が足りないほど失望感を残した。
初戦だった9日、オーストラリア戦で韓国は7対8で敗れた。
この試合で7回、左中間2塁打を放った後、ガッツポーズをしていたカン・ベクホ(KTウィズ)は、ベースから足が離れてタッチアウトされ、みなを唖然とさせた。「国家代表」らしからぬ、基本を忘れた場面だった。
6対8でリードされていた8回1死満塁でも残念なプレーが出た。オ・ジファン(LGツインズ)のゴロで3塁走者のイ・ジョンフ(キウム・ヒーローズ)が得点した。捕手が1塁カバーのためにホームを離れたので、イ・ジョンフは3塁を踏んだパク・ヘミン(LG)に、ホームに疾走するように手招きしたが、パク・ヘミンも走塁コーチもこれを逃し、同点にする機会も逸した。
4対13で完敗した日本戦は悪夢として残った。
10人が登板した韓国投手は、日本打線になすすべがなかった。投手陣は8つのフォアボールと1つの死球を乱発し、最悪の1日だった。
MLBドットコムは「韓国は日本打線を抑える投手がいないことに気づいた」と酷評した。
別に職業を持つチェコ選手らとの12日の第3戦でも、相手を圧倒できず、たじろぎながら冷や汗を流さなければならなかった。
韓国は脱落が決まった後に対戦した中国を相手に、遅ればせながら威力を発揮し、22対2、5回コールドゲームで勝利を収めた。
これまでプレッシャーに押しつぶされていた打線は、うっ憤晴らしをするかのように中国投手を叩いたが、すでに後の祭りだった。
◇実力強化のない「精神力」
一時、韓国野球は「精神力」を最大の強みとした。
太極マークの下で団結すれば、目に見えない力が発揮されたからだ。勝利に向けて最後まで食い下がる韓国代表チームは、相手を怯えさせた。
しかし、実力の強化なしに「精神力」だけを叫ぶ代表チームに再び栄光は輝かなかった。
その間、世界野球は一歩ずつ進んだ。韓国にとっては格下だと思っていた国々も、今大会ではより安定したプレーで世界を驚かせた。
一方、韓国は過去の名声にふさわしくない野球で相手チームをさらに面食らわせた。
「栄光の時代」は終わった。今こそ赤裸々になった韓国野球の素顔を見つめる時だ。
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