150人以上が亡くなった韓国・梨泰院(イテウォン)雑踏事故のソウル広場追悼焼香所を巡る混乱で、ソウル市は15日の焼香所撤去の行政代執行を先送りした。ただ焼香所設置が違法だという立場には変わりがなく、文書を発出して「やむを得ず行政代執行手続きに着手せざるを得ない」と強調した。
焼香所は遺族側が設置したもの。市はこの日の文書で「追慕の趣旨には共感するが、法と原則の枠内でなされなければならない。期限を決めて行政代執行を先送りしたわけではなく遺族との対話を待つ」と表明した。
市は4日、遺族側に対して6日午後1時までに自主撤去を求める1次戒告状を発行、6日にも期限を8日午後1時とする2次戒告状を送付した。さらに15日午後1時までに撤去するよう要請していた。
当時、オ・セフン(呉世勲)ソウル市長は「1週間という時間を与え、違法な設置物を自ら撤去してくれることをお願いした。広場運営に対する原則に反するため許容しなかった」と説明していた。
並行して市は12日午後1時までに地下鉄6号線ノクサピョン駅の焼香所の移設先を提示するよう遺族側に要請した。
一方、遺族側は「市が市民広場焼香所を不法施設物ではなく追慕のための空間と認定し、撤去要求をしないことが優先」と対抗した。14日にはノクサピョン駅焼香所の運営を終了し、ソウル広場の焼香所に統合すると発表した。
遺族側はこの日もソウル広場の焼香所前で記者会見を開き「市の真摯な謝罪や対話要求がなければこれ以上対話しない。撤去を試みるなら、皆が病院に運ばれることになっても体で防ぐ」と警告した。
これに対して市は「追慕の空間を設けるために遺族といくらでも議論する。誠心誠意話を聞き疎通のために努力してきたのに、遺族たちは対話自体を拒否しており非常に残念だ」と主張した。
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