たった1ウォン(約0.1円)で売られたごま油瓶が「白磁青畵鉄彩銅彩草虫文甁」として国宝に――韓国文化財庁がこのほど発刊した冊子「遺物と向き合う―私が会った国宝・宝物」で、こんな裏話が明かされた。
「国宝」の瓶を最初に見つけたのは1920年代、京畿道(キョンギド)八堂(パルダン)に居住していた老夫婦だった。ある日、おばあさんが野山で山菜を摘んでいる途中、白い瓶を発見した。首が長かったのでごま油の瓶として使った。実は発見場所こそ、朝鮮時代に王室用磁器を生産していた司饔(サオン)院分院窯跡だった。
おばあさんは瓶にごま油を入れて商人に1ウォンで売った。瓶は商人から別人の手を経て、京城(現・ソウル)の日本人夫婦に5ウォンで渡った。その時、夫がごま油瓶が「朝鮮白磁」であることに気づき、骨董商に60ウォンで売却した。
その後、この朝鮮白磁は競売にかけられるなどして最後は3000ウォンで落札され、最終的には国宝に指定されるまでになった。韓国文化財庁は1997年1月、非常に珍しい作品と評価して「白磁青華鉄彩銅彩草虫紋瓶」と名付けた。
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