韓国警察の間で、体に着用して現場映像を撮影するカメラ「ボディーカメラ」の導入を求める声が高まっている。警察を相手にした暴言や暴行を予防し、現場証拠を確保するのに役立つためだ。現場では導入に向けて法的根拠を整備すべきだとの声も上がる。
現在、韓国の警察官が使用しているボディーカメラはすべて個別に購入したもので、警察庁レベルでの支給はないという。ある警察官は「インターネットを通じて個人的にカメラを購入した。価格は10万ウォン(1ウォン=約0.1円)から40万ウォン台まで千差万別だったが、性能を考慮して高価な30万ウォン台のボディーカメラを買った」という。
価格が負担になってスマートフォンを使う場合もある。ソウルのある地区隊(韓国地方警察管轄機関)に勤める警察官は「出動するパトカーの中で動画録画ボタンを押して左の透明なポケットにスマートフォンを入れて現場を撮影する」という状況だ。
警察庁は2015年11月から2021年8月までの6年間、「ウェアラブルポリスカム」と呼ばれるボディーカメラ100台をテスト運用したことはある。警察官への暴行などを予防するとともに、公権力乱用を防止する目的だ。試験運用中、一線の警察官たちの反応は肯定的だった。
ただ、警察は法的根拠の不備と耐用年数を理由に試験運用を中断し、使用していたボディカムをすべて廃棄処分している。警察庁はボディーカメラを公式に導入するためには法令作りが優先されなければならないという立場だ。
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