韓国の研究チームが「海水淡水化」プロセス後に廃棄される高塩度濃縮水から高純度リチウムを抽出することに成功した。濃縮水は国内で1日約7万5000万トンが捨てられる水だ。
韓国生産技術研究院によると、濃縮水から淡水と高純度リチウムを得ることができる「循環型エネルギーシステム」を開発したのは、チョン・ダウン博士の研究チーム。同研究院はリチウム生産過程で経済性を確保するため、企業と規模を拡大して研究を進める予定だ。
世界で1日に発生する濃縮水は2019年には約1億4200万トンだった。研究チームは海水淡水化研究を進めていたところ、捨てられていた高塩度濃縮水が海洋生態系を乱すという事実に注目した。
研究チームは高い電流が必要ない「増産発電素子」を開発し、それを電気透析装置に連結して装置内部には特殊メンブレン(Membrane・分離膜)2つを挿入した。ここに海水を注入すれば、片方には淡水が、もう片方にはリチウム濃縮水が生産された。
チョン・ダウン博士は「開発された循環型エネルギーシステムは電気と飲み水を同時に得ることができ、水が足りない地域や宇宙船のような特殊環境でも活用できる」と話している。
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