韓国科学技術院(KAIST)はこのほど、電気電子工学部のキム・ヨンデ教授の研究チームが電磁波を使ってドローンを無力化する技術を開発し、国際学術誌「NDSS」で発表したと明らかにした。最近、北朝鮮の無人機がソウル首都圏の領空を侵犯しており、韓国研究チームが開発した「アンチドローン」(Anti-Drone)技術が注目されている。
従来のアンチドローン技術は周辺の電子・電気機器に影響を及ぼすため、都心部での使用が難しかった。しかし、KAISTが開発した技術は、非常に狭い地域の電磁波を利用しており、ドローンだけを狙い撃ちできるという。
研究チームが着目したのは、メーカーによって異なるドローンの電磁波の感度だ。周波数を分析したうえドローンに向け電磁波を放つ▽慣性計測装置と制御用ユニット・ボードの通信を妨害する▽センサーを無力化してドローンを制御できないようにする――という流れだ。これにより、味方のドローンには影響を与えずに攻撃できるという。
研究チームが室内で実施した検証では、10メートルの距離でホバリング(空中で静止している状態)中のドローンを撃墜できた。さらに遠距離でも有効な攻撃ができるよう研究を進める。
キム・ヨンデ教授は「標的のドローンだけ選択して落とすことができる。基礎研究が終わったばかりなので、実用化への研究を進めていく」と説明している。
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