2024 年 11月 24日 (日)
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オンライン・ブランド品、偽物をいかに見破るか

  現場ルポ  

ロッテオンで販売されているブランド品/ロッテオンホームページキャプチャー©MONEY TODAY

新型コロナウィルス感染の影響によってオンラインショッピングが日常的なものとなり、オンライン・ブランド品の市場も急速に成長している。特にオンライン・ブランド品販売業者が、これまで問題視してきた偽ブランド問題の解決に乗り出したことで、成長の勢いはさらに増すと予想される。

◇「偽造確認なら購入金額の2倍を返す」

韓国のオンラインショッピングモール「ロッテオン」は昨年9月、「トラストオン」という措置を導入し「トラストオン」マークの付いた商品は、すべての販売者から「本物」であることが保証された商品であり、その証明書が添付されている。万一、偽ブランド品が見つかれば外部機関が商品を検査し、偽造が確認された場合、購入金額の2倍を支払うというものだ。

ロッテオンによると、同社のブランド品売上のうち、この「トラストオン」マークの付いた商品が全体の80%を占めていたという。ブランド品販売業者約240社のうち「トラストオン」プログラムに参加しているのが約100社程度という点を考慮すれば、消費者は「トラストオン」マークの付いた商品を選んで購入していることがわかる。

このように、「トラストオン」商品の人気が高いのには、それだけオンライン消費者たちの「偽物」に対する警戒心が強いことの表れだ。実際、統計庁によると、オンラインブランド品市場のうち「偽物」の申告件数は毎年増加し、昨年は1万6693件で前年比151%増を記録。オンライン・ブランド品市場の規模が前年比で11%ほどの成長という点を考えあわせれば、偽物による被害は、市場の伸びよりも高速で増加しているということになる。

この影響により、オンライン・ブランド品市場において「本物保証」サービスは、選択ではなく必須になった。オンラインを通して購入するブランド品は、オフラインと比べ、相対的にお得というメリットがあるようだが、それだけに偽物に対する不安も大きく、消費者たちが簡単には財布のひもを緩めない。

◇他社も不安を減らす措置

新世界(シンセゲ)グループの統合オンラインモールSSGドットコムも、自社オンラインショップで販売している人気ブランド品に「SSGギャランティー」というデジタル保証書を付けるという方法を採用している。NFT技術を活用し、特定の商品にだけ保証書を発給する方法だ。これによって偽物への不安を減らしながら、オンラインでの購入を通じても保証書を受け取ることができるようにすることにした。

オンラインブランド品専門プラットフォームの「トレンビ(Trenbe)」や「マストイット(Must it)」も、本物の保証サービスの効果を存分に発揮した。ロッテや新世界などの伝統的なオフライン企業とは異なり、トレンビやマストイットは、自社に対する信頼度が積み上げられていない段階から、それぞれ「正規品チェーン」「正規品200%保証制度」を導入し、消費者の不安を取り除こうとしてきた。

こうして両社は成長を果たし、トレンビは先月、累積取引額9000億ウォンを突破、マストイットも年内取引額1兆ウォンを上回ることが見込まれる。

このように、消費者たちに信頼を得てきているが、結果的には、解決しなければならない問題は残ったままだ。

「偽物だった場合、2倍を支払う」という措置は、裏返せば「偽物である可能性もゼロではない」という意味になるためだ。実際に、複数のプラットフォームで偽物が発見され、信頼が損なわれたりしている。2倍を支払うといっても、偽物によっていったん信頼が損なわれると、リピート率は下がってしまう。結局、販売段階から本物を確実に保証できる仕組みを構築する必要があるということだ。

流通業界のある関係者は、オンライン・ブランド品市場の急拡大について「新型コロナウイルス感染拡大というタイミングだったという要因もある。ただ、電子商取引の会社が、本物の保証サービスなどを通して、消費者に『買ってよかった』と思わせるような購入経験を提供できたことが大きかった」と分析する。一方で、市場のさらなる成長を目指すためにも「販売以前の段階で100%正規品を保証できる、確実な正規品保証システムを構築すべきだ」と訴えている。

©MONEY TODAY

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