韓国・済州(チェジュ)島・漢拏山(ハルラサン、海抜1950m)の1100高地湿地。漢拏山の雄大な姿を楽しむことのできるこの地が今、「トイレ問題」に悩まされている。大雪後、済州山間道路の統制が解除されたが、今度は1100高地湿地に1カ所しかないトイレが「凍結により使用不可」となり、観光客はおろか現地警察も苦慮している。
道路規制が解除された25日午後、押し寄せる車両の交通整理をしていた交通警察の隣のトイレには「凍結により使用不可」という立て札が貼られ、規制線が張られていた。氷点下10度を下回る厳しい寒さに1100高地のトイレの埋設管が凍りついたためだ。
問題は1100高地湿地にトイレはただ1カ所しかないこと。ここから登山路までは車が渋滞しなくても10分以上かかる。
現場の警察官は「交代要員がいない場合、正午から人々が下山し終わるまで勤務している。水は一滴も口にしないことが多い」「車がこんなにも多いから他の場所のトイレまで行くのは難しい」と嘆いた。
休憩所の役割をする1100高地湿地展示館にもトイレがなく、職員らは極寒の中でトイレを我慢している。1100高地のトイレでは水道管の凍結が毎年冬に繰り返されている。今年もすでに1カ月間使用不可の状態だ。漢拏山国立公園側は気温が徐々に上がる3月を過ぎてようやくトイレが本来の機能を回復する。
観光客も困惑する。湿地から眺める広大な漢拏山の麓には眩いばかりの銀色の雪景色が果てしなく広がる。だが、あちこちで嘆声より、ため息が先にもれている。
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