韓国コンビニ業界の好況は、極端な「消費両極化現象」の反映でもある。ブランド品などの高額消費財と、コストパフォーマンスが良い必須消費財の需要がそれぞれ高まる中で、コンビニが後者の需要に応える最強の存在に浮上したわけだ。
コンビニは主要消費層である若年層の、短期的で非計画的な消費活動パターンに柔軟に対応している。品質や本質的な機能より、経験や面白さを追求する消費性向、SNSに影響された消費傾向に合わせている。
こうした消費形態について、KB経営研究所のイ・スンフン研究委員は次のように解説する。
「新型コロナウイルス感染以後、所得両極化が消費両極化につながっている。低価格商品を求める消費者が増えるということは、それだけ景気が良くないというシグナルだ。低価格商品は雇用が不安だったり所得が減ったりしたために選択するような商品であって、消費の嗜好が高まったと見るのは難しい。国内経済にとっては肯定的な現象ではない」
◇近くて手軽なのでコンビニに行く
景気低迷が表面化するなか、コンビニは例外と言える。
コンビニは、一人ご飯・一人酒などが社会的トレンドになり、小容量製品中心の商品構成とアクセス性、利便性を前面に出して領域を広げてきた。最近は1プラス1・簡便食(インスタント・レトルトなどの簡単な調理で食べられる食品)などコスパの良い食べ物を発売し、物価高で財布が軽くなった消費者を引きつけている。また、MZ世代が熱狂する製品企画力で若い需要も確実に吸収している。
2021年の国内1人世帯は716万5788世帯で、世帯全体の33.4%を占める。1人世帯など小家族が増え、一人でご飯を食べる文化が広がり、コンビニに対する認識は変わった。
コンビニは町内のディスカウントストアや大型マート、オンラインショップより相対的に価格が高いが、突然必要になった商品や小容量製品を簡単に購入するチャンネルだった。
しかし、簡単な食べ物から食材、生活必需品に至るまで品揃えが充実したことで、消費者のイメージは変わり、コンビニをメーンの購入先として利用するようになったのだ。
これは「コンビニ神話」の元祖とも呼ばれる日本のコンビニの状況と似ている。
日本のコンビニは、別名「失われた20年」という長期不況でも成長傾向を維持し、単身世帯の増加がコンビニ売り上げに寄与した。日本の単身世帯の割合は2010年には31.2%だった。当時、日本のコンビニは1人世帯の増加、超高齢化などに合わせた商品を相次いで発売し、成長街道をひた走った。
日本も韓国も同様だ。コンビニ成長の背景には、町のあちこちにある「アクセシビリティ」の高さ、いつでも商品購入ができる24時間営業の強みもある。
(つづく)
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