南太平洋島国トンガ付近で昨年1月15日、海底火山が爆発した。火山爆発指数(VEI)5規模の大爆発だった。
当時、火山噴火による津波でトンガのインターネットをつなぐ唯一の海底ケーブルが切れた。通信網が完全に途絶えたため、トンガ政府による被害の収拾は難航した。
2010年4月14日には、アイスランドの火山が噴火した。VEIが4規模の火山活動で、火山灰が欧州の空を覆ったため、航空機の大半が空港に足止めされてしまった。国際航空運送協会(IATA)によると、世界の航空便のうち29%が欠航し、少なくとも17億ドル(約2196億円)の被害が発生した。
火山が爆発すれば火山性地震、火山ガスによる窒息、火山弾・火山灰による農作物・航空便欠航など多様な被害が発生する。
火山噴火による気候変動も不安要素の一つだ。
1815年に起きたインドネシア・タンボラ火山の噴火の影響で、当時の世界年間平均気温は5度近く下がった。この噴火はVEIが7で、946年の白頭山大噴火と同じ規模だ。
946年の白頭山大噴火の際は、発生した火山灰がグリーンランド氷河で発見されるほど広範囲にその痕跡を残したという。
◇「白頭山噴火」のシナリオ
2019年に公開され、大ヒットした映画「白頭山」。この作品で描かれた「白頭山噴火」のシナリオは恐ろしいものだ。
映画の冒頭では、強震が北朝鮮・平壌(ピョンヤン)、そしてソウルの街を覆う。
江南大路の建物が次々と壊れ、漢江の水があふれ、市民が犠牲になる。
白頭山の地下には4つのマグマ部屋があり、最後の巨大なマグマ部屋の爆発を防ぐため、南北の関係者の奮闘する――。
(つづく)
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