韓国のペット用品専門スタートアップ「リトルキャット」は、フランスの小説家サンテグジュペリの小説「星の王子さま」(The Little Prince)の英単語「リトル」と、猫の「キャット」を合わせたその社名のように、星の王子さまの中の素材をモチーフにペットの健康管理用品を作っている。
同社は2019年、星の王子さまの惑星を模したIoT(モノのインターネット)基盤の猫運動誘導ホイール「B612キャットホイールプラネット」を発売。だがその後、猫用体脂肪測定器の開発に苦しんでいた。猫がその上に上がり、体重と体脂肪などを測る普通の体重計のように作ったものの、会社のアイデンティティである「星の王子さま」との関連性が足りなかったのだ。
リトルキャットの難問を解決したのはデザインだった。
会社は2018年に韓国デザイン振興院(KIDP)の世代融合創業キャンパス支援事業の指定を受けてスタートしたため、自然とKIDPが主管する「デザイン革新有望企業育成事業」に応募した。
中小・中堅企業のデザイン革新戦略とデザインの経営内在化を目標にした同事業は▽デザイン経営力量診断コンサルティング▽新製品開発費支援▽グローバルマーケティング▽オンラインマーケティングおよび展示▽成果広報――などを3年間支援するものだ。
リトルキャットは2020年にこの事業を通じてデザイン経営力の診断、翌年の2021年には本格的なデザイン支援を受け、猫用体脂肪測定器の開発に着手した。その結果、見いだした「星の王子さまコンセプト」は「ゾウを消化している大蛇ボア」だった。
(つづく)
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