韓国で2021年の1年間に、夫や恋人といった親密な関係にある男性に殺害された女性が少なくとも83人、殺人未遂の被害女性が少なくとも177人に上ることがわかった。女性からのホットラインを受け付ける社団法人「韓国女性の電話」がメディアで報道された事件を分析した。
83人のうち36人(43.3%)が夫に殺害され、177人のうち57人(32.2%)も夫が加害者だった。このデータは報道された事件に限られたものであり、現実にはこの数字はさらに多いとみられる。
女性家族省が昨年8月公開した「2021女性暴力実態調査」報告書によると、調査対象の成人女性7000人のうち「生涯で女性暴力被害を一度でも経験した」人の割合は全体の34.9%(2446人)。このうち46%(1124人)は配偶者や恋人ら親密な関係にある人によるものと答えた。
専門家は「配偶者による殺人」が絶えない背景として、韓国社会には依然、家庭内暴力を他の暴力より軽く考える雰囲気があると指摘する。
韓国刑事・法務政策研究委員のチャン・ダヘ氏は「見知らぬ人による見知らぬ人に対する犯罪には厳格で、家の中で起きる犯罪にはそうではない。実際、司法機関は『不特定多数』を基準に再犯の危険性を判断している」との見解を示している。
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