韓国でストーキング犯罪の被害・加害とも40代以上がかかわるケースが増えている。ストーキングは重犯罪につながる恐れが高く、中高年層への対策を急ぐべきだとの指摘が出ている。
警察によると、ソウル市江東(カンドン)区のバス停で今月19日、60代の男が50代女性を凶器で襲い、顔に10センチの傷を負わせた。男は「女性が自分に会ってくれない」という理由に腹を立て、犯行に及んだという。ただ男と女性は数回、顔を合わせただけの関係だった。江東警察署は60代の男を殺人未遂とストーキング処罰法違反の疑いで摘発した。
また、ソウル市道峰(トボン)区では今月7日、70代の男が、交際相手だった60代女性のもとを訪ね、自身の体に火をつける事件が起きた。男は女性に執拗に言い寄ろうとしたため、ストーキング容疑をかけられ、警察の捜査を受けていた。男は結局、死亡した。
韓国警察庁の資料によると、ストーキング処罰法が施行された昨年10月から今年8月まで、ストーキング被害を受けた女性(6228人)のうち21~30歳が1743人(27.99%)で最も多かった。また、41~50歳も1387人(22.27%)と少なくない。
一方、加害者の場合も検挙された7152人(男5820人、女1332人)のうち3762人(52.6%)が40代以上だった。特に「51~60歳」1427人(19.95%)、「60歳超過」864人(12.08%)などで中高年層の割合が相当だった。
ストーキング犯罪は殺人と放火など重大犯罪につながる可能性がある。専門家は中高年層でこうした傾向がより強くあらわれると憂慮する。国会立法調査処のホ・ミンスク調査官は「暴力と執着は常習的な特性で、突然あらわれるものとは判断しがたい。社会的名声や職場のない中高年層がストーカー行為に及ぶ場合、結果が残酷なものになる可能性が高い」と憂慮している。
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