「今すぐ明日から収穫しなければならないのに……。身動きもできずにいます」
25日午前、韓国全羅南道(チョルラナムド)長城郡(チャンソングン)のレッドヒャン(韓国みかんの品種)の栽培施設ハウス農家、パク・ジャンヨルさん(73)は、深いため息をついた。
22日から3日間降り注いだ大雪で、パクさんのハウスの屋根の棟と両側の支持台などが倒れてしまっていた。「アーチ型」を成すべき施設ハウスは、積もった雪に1メートルほど押さえつけられて、あちこちが歪んでいた。
農作物の日照量調節に使われる室内天井の上の保温カーテンまで倒れこみ、背の高い木は枝と葉などが落ちていたりもした。
パクさん夫婦が6年間築いた施設ハウス5棟のうち3棟が今回の大雪・寒波で大きな打撃を受けた。
パクさんは雪がやんだ前日の午後から時々、施設ハウスの水受け管に上がって除雪に乗り出したが、すぐに自暴自棄になった。
ハウス屋根ごとに5センチ前後の雪が積もって滑りやすいうえに、一人で除雪スコップを持って長さ110メートルに達するハウス3棟に積もった雪をすべて片付けるのは無理があった。
パクさんは当初、26日から収穫作業を始め、来週中に出荷まで終える計画だった。しかし、収穫どころか、施設の復旧までもままならない。
雪が溶け始めれば、既に雪の影響で弱くなったハウスの随所に漏水・崩壊の危険があり、奥の深いところまでは簡単に近づくこともできなかった。
辛うじて収穫したとしても、押さえつけられた保温カーテンのせいで日照量が不足し、作況も良くないという。
パクさんは「保温カーテンを動かせば収穫範囲が広くなるが、苦労して摘んだレッドヒャンも日差しを十分に見られなかったため酸味が強くなってしまう。施設崩壊の危険もあって、温風機も使えない」と苦渋の表情を浮かべた。
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