流通分野でも新しい未来ビジョンを宣言している。
ロッテ流通群は7月、「顧客の最初のショッピング目的地」というニュービジョンを打ち立てた。顧客の立場からの「ライフスタイル」と「グローサリー」という大きなテーマのもと、関連事業間の相乗効果を極大化し、より良い顧客経験を創出しようというものだ。
このために手掛けたのが、英グローバルリテールテック「オカド(Ocado)」とパートナーシップだ。韓国国内のオンライングローサリー市場を攻略して、顧客が信頼して楽しめる「グローサリー1番地」になるという考えだ。
ロッテショッピングはオカドとともに、2025年初旬の自動化物流センターCFC(Customer Fulfillment Center)を手始めに、2030年までに6つのCFCを開く計画だ。2032年には国内オンライングローサリー市場で5兆ウォン(約5180億円)の売り上げを達成し、顧客の購入履歴・性向に基づく個人化マーケティングが可能となる、別途のプラットフォームも公開する。
エンデミック(風土病化)以後、観光産業が再び活気を帯びているため、オフライン流通売り場の拡張にも努める。
ロッテ百貨店はソウル市麻浦区(マポグ)上岩洞(サンアムドン)、仁川市(インチョンシ)松島(ソンド)などに、雇用創出効果の高い大規模複合商業施設の開発を推進し、本店、蚕室(チャムシル)店など重要支店のリニューアルを進める。
ロッテマートは1兆ウォン(約1036億円)を投資し、未来型店舗のゼタフレックス(ZETTAPLEX)、マックス(MAXX)、ボトルバンカー(BOTTLE BUNKER)など、新たなショッピング文化をリードする売り場を拡大する。
◇ハノイにグループ力集結
来年はベトナムのハノイにグループの力を集結した「ロッテモールハノイ」もオープンする。3300億ウォン(約342億円)を投資したロッテモールハノイにはショッピングモールと映画館、ホテル、レジデンス、アクアリウムなどが入る。
ベトナム・ホーチミンのトゥーティエム新都市区で総事業費約9億ドル(約1194億円)規模で進められる複合地区「エコ・スマートシティー」プロジェクトも注目される。
ロッテは5万平方メートルの敷地に地下5階~地上60階規模の商業施設とともに、オフィス・ホテル・レジデンス・シネマとアパートで構成された大型複合団地を開発する。ロッテが保有している最先端スマート技術と流通ノウハウを融合させ、スマート団地として完工する計画だ。
最近、グローバル3高(高金利・物価高・ドル高)複合危機に加え、ロッテ建設発の資金難まで重なり、投資条件が容易ではない状況だ。だが、ロッテは中・長期的に未来新事業分野で「M&A(買収合併)DNA」を証明するという観測も出ている。
財界関係者は「シン・ドンビン会長は、社会人としての生活をグローバル証券・金融分野(日本の野村証券)で始めた。M&Aに対する理解度と関心が高い」という見方を改めて示した。(おわり)
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