2024 年 11月 25日 (月)
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[KWレポート] アフター“兄弟の乱”ロッテはこう変わる(2) 純血主義、破る

2022年下半期ロッテVCMに参加したシン・ドンビン会長(写真=ロッテ持株提供)(c)NEWSIS

韓国ロッテグループのシン・ドンビン(辛東彬、日本名・重光昭夫)会長は2017年以来続いてきた「ビジネスユニット(BU、企業内の独立した事業単位)体制」を廃止した。迅速な意思決定の仕組みをつくり上げることで、外部環境の変化に素早く対応したいという考えからだ。

◇「決定の遅い組織」

BU体制は、シン会長が検察捜査などで経営に支障が生じたために導入されたものだった。4つの事業分野の独立体制を通じた、水平的な意思決定の構造だった。

だが、主要な懸案に関する報告が持株会社共同代表に伝えられるまでに4つのBUトップの判断を仰ぐなどプロセスが多い。意思決定が遅くなって事業の実行速度も落ちたという指摘が上がっていた。

こうした決定の遅い組織体系では、市場の変化をいち早く読むことができず、対処が遅れるだけだ――シン会長はこう判断した。

◇異例の人事

シン会長は異例の人事断行で組織体系も変えた。

これまで守ってきた「純血主義」を破り、P&G出身(ロッテショッピングのキム・サンヒョン副会長)を流通軍総括代表に任命した。流通部門を総括するトップに“正統派ロッテマン”ではなく、外部人材を選任したのは、1979年のロッテショッピングスタート以来初めてだった。

その後、新世界(シンセゲ)出身のロッテ百貨店代表、チョン・ジュンホ氏と、LG生活健康出身でロッテ流通軍HQ最高マーケティング責任者(CMO)のイ・ウギョン氏らを迎え入れた。ロッテマートのカン・ソンヒョン代表とロッテショッピングeコマース事業部のナ・ヨンホ代表、ロッテホテルのアン・セジン代表らは、すべて外部からだ。

シン会長は外部人材を迎え入れるためのスターチームまで作った。専門家を各事業の前面に押し出し、これまで低迷していたロッテの地位を早期に回復させるのが目標だった。スターチームは、外部からの中核人材の確保から、グループを率いる最高経営者(CEO)の養成まで、人材管理を担う。

シン会長は次のような見解を明らかにしている。

「事業が融合した環境の中で、年功序列、性別、地縁・学閥と関係なく、最も適した人材が力を発揮できるよう、徹底した成果主義文化を定着させなければならない。多様性は、われわれの競争力であり、挑戦するエネルギーの源泉になるだろう」(つづく)

(c)NEWSIS

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